「IoT」でのイノベーション事例:コマツの「KOMTRAX」

採掘現場とダンプカーイノベーション

新規事業やイノベーションの分野で、
数年前から、「IoT」がひとつのバズワードとなっています。

「IoT」は、様々な業界や分野で応用ができるため、
発想が広がりやすく、自社の事業にも取り入れた場合に
大きく業界構造を変える可能性があります。

「IoT」で破壊的イノベーションが起こせた事例として
コマツの「KOMTRAX」があります。

「IoT」の成功事例として語られていて、
すでにご存じの方も多いと思いますが、
今回はコマツの「KOMTRAX」の事例と通じて、
「IoT」を考えてみたいと思います。

「IoT」とは何か

「IoT」は、「Internet of Things」の頭文字をとったもので、
センサーによって、モノがインターネットにつながって、
情報を伝えるというものです。

集めたデータは、プラットフォームに集積され、
「ビッグデータ化」されることが多く、
ビッグデータビジネスへの展開も横目でにらみながら、
参入する企業が多いようです。

たとえば、ウェアラブルの活動量計などはその典型例となります。

多くの「IoT」系デバイスは、
スマートフォンと連動し、さらに便利になっています。

近年では、自動車とネットをつないだ
「コネクテッドカー」の開発が本格的になってきました。

道の混雑状況を調べながら、ルートを提案したり、といったところまできています。

「コマツ」の「KOMTRAX」

「コマツ」の「KOMTRAX」(コムトラックス)
「IoT」を活用したビジネスで、最も成功し、
なおかつ破壊的なイノベーションにつなげた事例と言えます。

コマツはご存じのように建機の製造販売を行うメーカーです。

「KOMTRAX」はGPSを活用して、遠隔操作で
大型ダンプカーの無人自動運転を実用化したものです。

現在は、ダンプカーだけではなく、建設機械の自動運転までを
可能としており、ショベルカーを使って自動で土地をならす仕組みを
商品化しています。

これは何が破壊的かというと、
業界の構造を一変させることにつながったためです。

たとえば、鉱山で鉱石が大量に掘り出せたとしても、
必要なところに運ぶダンプカーはなければ、運べず収益につながりません。

そのため、運べる分量から、採掘量を計算するといったことが行われていました。

また、巨大であるため、高度な運転技術が求められ、
希少なスキルであり、人手不足も手伝って人件費も高騰していました。

それが、無人化したことで、
時間を問わず鉱石を運ぶことが可能となり、
効率化と人件費の低減を大幅に実現させ、鉱山のあり方を一変させたのです。

市場の未決の課題からスタートした

「KOMTRAX」はもともとは、建機を販売したが、
買い手側の企業の事情により、売掛金が回収できないという問題からスタートしています。

コマツは、こうした問題に対応するため、
販売した建機が、どこで動いているかを把握し、
場合によっては、エンジンをストップするという仕組みを導入します。
これにより、売掛金が回収できないということが解決しました。

そして、この仕組みを活用して、かねてから鉱山の現場での課題となっていた
「鉱石が掘り出せても、運ぶダンプカーが足りない」という「市場の未決の課題」
の解決に取り組みます。
そして完成したのが「KOMTRAX」です。

ここで強調したいことは、
「GPSを用いたエンジン操作」という機能を一歩深化させて、
無人運転を実現させたのは、「市場の未決の課題」への気づきがあったということです。

これは「鉱山の現場では、今何が課題なのか、
困りごとはどういった点なのか」ということを、自社の強みの視点から
常々考えてきたことが結晶したものに他なりません。

まとめ

「IoT」という新しい技術が生まれたことで、
「IoT」と自社の強みを組み合わせて、
事業展開を行いたいと考える企業も多いと思います。

もちろん、そこで新しい価値創出につながれば良いのですが、
しかし、今回のコマツの事例のように、
市場の未決の課題を解決するために、「IoT」を結果的に使ったというのが、
イノベーション創出の本来のあり方だと考えています。

御社の周辺の課題について、
「IoT」と自社の強みを組み合わせて解決できるものがあるか、
改めて考えてみるのも良いかもしれません。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

補足

AI、IoTが大きく注目されていますが、企業経営にどういった影響を与えるか、
下記の記事で考察しています。是非ご一読ください。

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