新規事業、イノベーションのためのアイデア、発想のヒント

太陽の光を浴びる女性 アイデア・発想

アイデア発想や気付きを発見する方法について、
世の中では、さまざまな情報や書籍が紹介されています。

「発想法」は問題解決の手法となりますが、
今回の記事は発想のヒントについて、
ユニークなものを中心に解説していきます。

異なる分野、領域の「雑誌」に目を通す

ある新規事業を得意とするコンサルタントの方は(40代・男性)は、
空いた時間に書店に行くと、必ず「女性誌」に目を通すことにしています。

この方が言うことには、

「同世代の男の人や、コンサルタントの多くが、
経済誌を中心に読んでいる。そこから一つ飛び抜けた発想にたどり着くためには、
全く別の分野からの情報を組み合わせることが必要となる。

そこで、女性誌を意識して読むことで、
新しい発想が得られるとともに、紙面の見せ方などのアプローチ方法にも
経済誌からでは得られないヒントがある」

ということでした。

「イノベーション」は、新しい組み合わせを行う「新結合」
の意識が重要となります。

自分や自社が強みとすることと、
その分野から離れた領域の知見を組み合わせることは
これまでとは異なる新しい価値の創出につながる可能性が高いと感じています。

しかし、ただ女性誌を読むだけでは、「ふーん」で終わってしまいます。
そこで、能動的に「イノベーションを起こすにはどうしたらいいか」という意識を持って
読むようにすると、大きな成果を見いだせるかと思います。
デザインについて注目してみるというのも一つの着眼点になります。

ここでは特に女性誌についてご紹介しましたが、
自社とは全く分野の異なる専門誌に目を通すというのも
大きな気づきにつながると考えています。

異業種からの意見により商品化した事例

自分の業界や隣接した領域の企業の方とお話しをする機会は多いと思います。
一方、異業種の方とお話しをされる機会は少ないかもしれません。

しかし、自社の課題について、異業種の方に相談すると、
「それは以前、このように解決した」と大きなヒントが得られることがありますので、
そうした機会があれば、積極的に活用していくのは良い方法です。

ここからご紹介するのは
ある素材系企業の新素材について、異業種の方からの意見をもとに、
ヒット商品へと昇華させた事例となります。

素材系企業A社は、金属関係を得意とする会社です。

同社の基礎研究所から、新しい素材として
一定の温度を加えると形がもとに戻る金属が開発されました。

「形状記憶合金」なのですが、
これをどのように売り出していくかが課題となりました。

経営企画や営業としも、素材としては面白いという意見がある一方で、
具体的な商品への展開の良いアイデアがでてきませんでした。

そこで、開発担当者の方は、
ある異業種交流会で自社の新素材についての
発表を行いました。

オフィスでの議論

この勉強会には、30社ほどの企業の事業担当者の方が参加しており、
一年間の勉強会であったことから、
参加者同士も、信頼しあえる関係性が構築できていました。

発表をすると、すぐに女性用下着メーカーの担当者からアプローチがあり、
「この素材を使えば、自分たちの会社が悩んでいる課題が解決できる!」と
興奮した口調で言われたそうです。

これが「形状記憶下着」の誕生の瞬間でした。

B2Bの企業とB2Cの企業が交流したという点も大きなポイントと考えられます。
川上と川下での意識の統合ができ、新しい価値の創造につながるからです。

可能であれば、担当者の方がいろいろな業種の方と意識的にコンタクトし、
「これは!」と思う方や、企業があれば、アポイントをとって、
訪問をされることをお勧めします。

新規事業で不慣れな進出先候補領域についての情報を集める方法
新規事業において、自社が次に進出すべき領域が見えてきた際に、 基本情報以外に、その領域ならではの特性を理解して、 勝ち筋があるかどうか判断したいところです。 しかし、不慣れな領域や分野では、なかなか、的を射た情報に たどり着くことができない...

異業種の方と交流するには、
「モーニングピッチ」のような勉強会に参加することが手軽です。

ただ、異業種交流をうたう団体のなかには、
いわゆる「合コン」のようなことであったり、
一般社団法人などでは、運営がしっかりしておらず、
名刺交換会であったというケースも少なくありませんので、事前に必ず調べましょう。

会合のHPの更新がうまくできていない場合は要注意です。
たとえば、開始月が昨年のもののままであったりする団体は、
事務局が正常に機能していないと判断できます。)

15:00までしか働かないコンサルタント

別のあるコンサルタントは、仕事は15:00までしか
行わないことにしています。

15:00以降は、自分とは異なる業界の
専門家(弁護士、税理士、異業種担当者など)と会うようにしているとうことでしあt.
また意識して一人で近くの公園を散歩したり、美術館に訪れたりしているそうです。

会社の仕組みとしては「フレックスタイム」を導入しており、
社内や同僚への説明としては、
「15:00以降は社外の方とのアポイントを入れています」として、
電話での連絡も極力ひかえてもらってるということでした。

ポイントとなるのは、15:00以降は
「メールやSNS、ネットから意識的に切り離す」ことのようです。

この方が言うには、
「異業種の方と話をするためには、自分も勉強しなくてはいけないがそれが自分の成長につながる。
また、自分としてはアイデアを思いつくためには、『静けさ』が必要だと思っている。
そのため、デジタルデトックスは有効だ」

ということでした。

ちなみに、同氏は税理士の資格を取得しており、
それも「専門家と話をするために必要だから勉強した」ことが、
資格取得のきっかけとなったそうです。

15:00以降は働かないという方法は、誰でも真似できるわけではありませんが、
異業種との交流や、一人の時間からアイデアを生み出す手法は、
ヒントとなるのではないでしょうか。

俳句からのヒント

自分の領域から離れた発想が必要な場合に大きな力を発揮するのが
連想による方法です。

「俳句」や「短歌」ではよく活用されている手法となります。
たとえば、季語が「クリスマス」だとすると、そこから
「イルミネーション」→「LED」→「省電力」→「地球環境」→「Co2」→「COP25」
というたように連想を続けていきます。

いくつか繰り返していき、「これは!」と思った言葉と
季語を組み合わせると、初期の発想からは離れた展開になります。

「COPから環境を見るクリスマス」といったイメージです。
(あまり良い例でなくて申し訳ありません。。)

これを、新規事業やイノベーションで自社で取り組んでいることで、
組み合わせてみると、初期段階とは異なる発想にたどり着く可能性が高くなります。
また、特にデザインイメージや商品名で活用すると
大きな効果を発揮します。

まとめ

机に向かって、アイデアや新しい発想を考えようとしても
なかなかうまくいかないものです。

そんな時に、異業種の方の知恵を参考にしたり、
一人静かな時間を意識的に設けたりすることで、
なにかが生じるかもしれません。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

参考となる書籍の紹介

新規事業につながる考え方について、
古典的名著といえるのがジェームス W.ヤング氏による
アイデアのつくり方 となります。

アイデア発想の2つ原理として、
(1)「アイデアとは既存の要素の
新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
(2)「新しい組み合わせを作り出す才能は事物の
関連性を見つけ出す才能に依存する」
としており、
イノベーション(=新結合)を体現した発想法の基本が解説されています。

新規事業だけでなく、新しい発想をする際に汎用的に使える一冊。
是非、ご一読ください。

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コメント

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