ロードマップの作り方の基本:6つのプロセスで進める

たくさんの古い地図新規事業

前回は、
ロードマップの基本と活用のポイントについて述べました。

ロードマップの基本と2つの活用ポイント
多くの企業で、全社方針やプロジェクトの策定、 新規事業やイノベーションを起こす際に、 ロードマップが活用されているのではないでしょうか。 ロードマップは策定することで、 現在の自社が置かれている状況、環境をどのように理解すれば良いか...

ロードマップは、未来基軸で
現在から将来への道筋を推測、計画する手法です。

また、「あるべき姿」に至るまでの道のりを
関係者の間で意識共有のツールとして活用することで、
大きな力を発揮します。

今回は、ロードマップの具体的な作り方について述べていきます。

ロードマップの作成の大まかな手順

ロードマップの作成手順について、まず大づかみに説明します。
次の3つの手順で進めます。

(1)「あるべき姿」を明確にする
(2)「あるべき姿」にたどり着くにはどうするかを策定する
(3)ロードマップに落とし込み、関係者で共有する。

ポイントとなるのは、
未来軸で、「あるべき姿」から、「現在」を見ていく、
仮説を構築していくということです。

通常の経営計画などでは、現在があり、そこから見た将来となりますが、
不確実性の高い経営環境や、イノベーションや新規事業を検討するなかでは、
現在からは積み重ねる形では、推し量れないものが出てくるため、
「バックキャスト」の意識で考えていくことが必要となります。

ロードマップを作る6つのプロセス

ここから細かくロードマップ作りのプロセスを見ていきます。

次の6つのプロセスで進めます。

(1)経営ビジョン、事業計画をもとに
企業全体の将来像のあり方をビジュアルに明確化していく
(2)現在、自社が置かれている状況や技術レベルといった
「現状分析」を行う。
(3)(1)の将来像を実現させるのはどうすればよいか
将来的な製品やサービスの展開、イメージについて
現段階で可能な限りの具体像を描き出す。
(4)(3)を実現化するために、
自社の技術や体制について、どのようなものが不足しているかを明確化する
(5)(4)で明確となった不足している技術や体制について、
達成目標と内容の明確化で実行プランの策定
(6)(5)について、事業プランや技術開発スケジュールに落とし込んでいく

といった流れとなります。

各ステップの詳細

地図とコンパス

各ステップの詳細について、説明します。

(1)経営ビジョン、事業計画をもとに 企業全体の将来像のあり方をビジュアルに明確化していく

組織としてどういった方向性を目指すのかを再確認し、
場合によっては再設定していきます。

たとえば、ある大手製造業では、
当時の社長が「暗闇のなかでものを作る」といったビジョンを打ち出しました。

これを、経営幹部が咀嚼していくなかで、
「工場の全自動運転」という事業形態に落とし込んでいきました。

新規事業やイノベーションで何をすべきかというのは、
将来が見えないなかで難しい設定ですが、
企業経営理念、ビジョンなどをもとに方向性を落とし込んでいきます。

方向性の可能性が複数ある場合には、複数のロードマップを作成します。

(2)現在、自社が置かれている状況や技術レベルといった 「現状分析」を行う。

自社のポジションについて、改めて再確認を行います。
同業他社の状況も含めて考えていきます。

(3)(1)の将来像を実現させるのはどうすればよいか 将来的な製品やサービスの展開、イメージについて 現段階で可能な限りの具体像を描き出す。

将来的な製品やサービスの展開、イメージについて
現段階で可能な限りの具体像を描き出します。
複数ある場合はそれぞれにおける具体像を描き出していきます。

ここでは、「自社の強み(技術やサービスなど)」、「市場の未決の課題」
「市場の変化への洞察」といった点についても、折り込みながら
具体像を描いていきます。

この作業のなかでは、樹形図のように複数の仮説が出てきます。
出てきた仮説は、さらに四象限で「実現可能性」と「市場へのインパクト」の二軸で
整理を行い、実現可能性が高く、市場へのインパクトが大きいものから
落とし込みを行っていきます。

(4)(3)を実現化するために、 自社の技術や体制について、どのようなものが不足しているかを明確化する

難しい作業ですが、たとえば、(3)を実現化するための
要素技術として何が必要か、その要素技術を分解していき、
どの部分が足りないのか、他社も含めた技術の進展スピードも鑑みて、
明確化していきます。

(5)(4)で明確となった不足している技術や体制について、 達成目標と内容の明確化で実行プランの策定

不足している技術や体制について、達成すべき目標を、
明確化していきます。たとえば、1つの技術目標があったとしても、
複数の技術の組み合わせとなっている場合は、それぞれの技術について、
達成目標を明確にしていく形です。

(6)(5)について、事業プランや技術開発スケジュールに落とし込んでいく

具体的な時間軸に落とし込んでいきます。

(6)で、大枠が完成したロードマップについて
その後、関係者で議論を行い、仮説を検証していく作業を行います。

この仮説検証作業を行うことによって、
関係者同士の意識の方向性が統一されていき、
その後、具体的な作業を進めるなかでも、ロードマップに立ち返ることで、
目標から外れずに、進めていくことが可能となります。

まとめ

今回はロードマップの作成手順についてお話をいたしました。

粒度については、全社の技術ロードマップや、
部署ごとのロードマップ、製品のロードマップといったように、
様々ありますが、基本的な進め方は同じとなります。

繰り返しととなりますが、最も重要な点は、
「未来軸で過去を振り返る形で現在を見ていく」という意識です。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

追記

未知の市場の市場規模を推測するためには「フェルミ推定」を活用することをお勧めしています。
是非、ご参照ください。

フェルミ推定によるマーケットサイズのつかみ方:いくらで売るかのヒント
新規事業やまったく新しい商品開発を進める場合、 どの程度の売上が見込めるか事業計画の立案を求められることが多いかと思います。 既存事業であれば、これまでのビジネスの進めるなかで見えてきた 大枠の価格帯、感覚があるため、それがベースとな...

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