新規事業で不慣れな進出先候補領域についての情報を集める方法

開くドア 情報収集

新規事業において、自社が次に進出すべき領域が見えてきた際に、
基本情報以外に、その領域ならではの特性を理解して、
勝ち筋があるかどうか判断したいところです。

しかし、不慣れな領域や分野では、なかなか、的を射た情報に
たどり着くことができないというケースがあります。

今回は、進出先(候補)の情報収集について、
その業界の方に直接インタビューや、場合によってはスポットコンサルの活用が
強力な武器となりますので、その活用方法について解説していきます。

進出検討先の代表的企業の方へのヒアリング

異分野への進出を検討する際の情報収集は集めたい情報範囲が広い一方で、
自社が強みが発揮できるか否かの判断が必要なため、
実態に即したやや専門的な情報が必要になる場合があります。

その場合、非常に有効な方法となるのが、
進出先の領域の代表的な企業の方を、第三者に紹介してもらい、
直接、話を聞きに行くというものです。

進出しようと考えている事業に直接関係する部署の方でなくても、
(担当部署が異なっていても)
その業界にいる方にインタビューすることで、
初期仮説を検証するには、十分な知見が得られます。

「自分の仮説を検証したい」
「業界の人の意見を聞かないとわからない部分がありそうだ」
といった場合に特に有効となります。

ヒアリング先の見つけ方と、聞き方のポイント

ヒアリング先へどのようにコンタクトするかについて、
直接の人脈がある場合は良いのですが、直接の人脈がない場合は、
仕事関係でお付き合いのある方や、コンサルタント、

勉強会を主催されているような方に、ご紹介のご相談をされてみるのが良い方法です。

ここで重要なポイントとして、
相手の企業からヒアリングさせていただく場合には、
自社の状況や課題、悩みといったことを、率直に
お伝えするということがあります。

もちろん、お話できる範囲のもので構わないのですが、
たとえば、自社が置かれている状況を説明し、
新しい領域に進出した背景になにがあるのか、
また、新領域について課題に考えていることなどを
お伝えすることが重要です。

課題について詳しくお話をすることで、
ヒアリング対象となる企業の方も、お答えすべき内容が明確となるため、
こちらが必要としている情報を得られる可能性が高くなります。

ヒアリングでよくある失敗のケースとして、
自社の状況を伝えずに一方的にこちらが聞きたいことについて
質問してしまうというのがあります。

一般的な仮説に基づいた質問に終止してしまい、
本質となる情報を得られずに終わってしまい有効な情報を引き出せず、
ヒアリングそのものの意味がなくなってしまうというケースです。

これを防ぐためのポイントとして、
ヒアリングをさせていただいた相手企業の方にとっても、
「今日話しをして良かった」と思ってもらえることを
意識しておくことが重要です。

たとえば、自社が抱えている課題について率直にお伝えすることで、
業界が異なっても実は同じ課題を抱えていたとか、
担当者としての苦労、悩み、工夫、失敗事例を共有することが、
ヒアリング先の企業の方にとっては大きな気づきにつながります。

ヒアリング先の方のメリットも考えることで、
必要な情報が得られるだけではなく、
さらに次のコラボレーションやオープンイノベーションにもつながる
可能性も開けることもあるので、
ここで得たご縁を十分に活かせるようにすることが重要です。

経験したことのない課題への知見共有、対応検討にも有効

知人やコンサルタント、勉強会の担当者を通じて、
人を紹介してもらうという方法は、
経験したことのない課題や、未知の課題への対応について検討する場合にも
大きな効果を発揮します。

たとえば、災害について企業としての対応を共有するような場合です。

実際にあったケースとして、
津波のために復数の製造工場に被害があり、
企業として、ご遺族に災害一時金の支払いを
早急に検討しなくてはいけないということがありました。

一時金の金額について、他の企業と足並みを揃えたいが、
表に出てくる情報でもないため、広く人を紹介してもらい情報を集めたケースがあります。

(自社として対応に不足があってはいけないという思いがあったようです)

このケースでは、ある勉強会の担当事務局を通じて、企業の担当者から意見を聞き、
一時金の金額について状況が整理を行っていきました。
さらに、その情報について、
情報提供していただいた企業の方にフィードバックするという対応を行いました。
これにより、情報が得られただけではなく、担当者相互の信頼関係が醸成され、
復興における対応でも、そのネットワークが役立っていきました。

人脈がまったくない企業へのヒアリング

相談できる方が全くいない場合は、ターゲットにしている企業の方に
直接アプローチする方法もあります。

ある製造業の研究技術人材担当者は、
別の業界で行われていた知財を基軸とした
人材のデータベースの構築方法について、取り入れたいと
HPの問い合わせ欄からその旨の打診を行いました。

すると、窓口となった方が、
データベース構築の責任者を紹介してくれ、
丁寧にレクチャーをしてくださったということでした。

「尋ねても教えてくれないだろう」
「相手の迷惑になるのではないか」
といったことを考えてしまいがちですが、
日本企業のビジネスパーソンは、助けを求められたら、できるだけ答えたい
という方が多いと感じています。

教える側も、それをきっかけに資料を整理できる
といったことにもつながりますので、まずはアクションしてみることをお勧めします。

「スポットコンサルタント」の紹介サービスを活用するのも手

機密性が高い案件について、
どうしてもある企業の方から意見をいただかないと、
先に進めないという状況を経験したことがあります。

その時に、利用したいのが
「ビザスク」というサービスです。(下記リンク先をご参照ください)

日本最大級のスポットコンサル「ビザスク」

ビザスクは、
業界関係者(企業のOBや現役社員も含む)に、
ピンポイントで、相談できるサービスです。

費用はお一人あたり、数万円程度で、
複数人にヒアリングをしたとしても、
調査会社の利用と比べてリーズナブルとなっています。

リーズナブルである一方で、聞く側の力量も問われますが、
相談に際しては復数の方にお願いし、
情報を集めていけば、高い確率で求めている情報に行き当たります。
人数が少ない場合は、相手との相性などもあるため、
うまく情報が引き出せない可能性があるので、複数の方に依頼するのが王道といえます。

こうしたスポットコンサルティングや、人材紹介のサービスは
ビザスク以外にもありますので、どのようなサービスなのか、一度試しにお使いになられると、
急な場合でも打ち手として安心して使うことができると思います。

まとめ

今回は、進出先(候補)の情報収集について、
その業界の方に直接インタビューを行ったり、スポットコンサルの活用について述べました。

「これが知りたい、しかし役に立たないかもしれない」
という場合、いずれにしても調べたほうがいい結果につながります。

ヒアリングに至るまで、交渉や準備や必要となり、手間ではありますが、
手をかけた分だけの効果は十分にありますので、
今回ご紹介した方法を是非検討されてみてください。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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