異業種・異分野の製品・サービスを研究し、イノベーションへとつなげる

ディスカッションアイデア・発想

新規事業やイノベーションのヒントとして、
異業種の製品やサービスが参考になることがあります。

異業種を参考にして、新しいビジネスを展開し、大成功した代表的な事例として、
江崎グリコの「オフィスグリコ」があります。

 

「オフィスグリコ」は
菓子メーカーの江崎グリコが、2002年から行っている企業向けの販売サービスです。

契約した企業の休憩室などに、
プラスチック製の引き出しが付いたボックスを貸し出します。
ボックスには、定価100円~の菓子が詰めてあり、
購入者は引き出しの上部についている代金箱に代金を投入するシステムです。

このシステムは異業種である「富山の置き薬」がヒントとなっています。
富山の置き薬は、各家庭に家庭用常備薬を取り揃えたボックスを置かせてもらい、
担当者が使った分だけ代金を回収し、資料分の補充を行うというビジネスモデルです。

このように異業種のサービスや製品、ビジネスモデルは、大きなヒントとなります。
今回は、異業種の事例を具体的にどのように参考にするかについてお話しします。

顧客層が異なる企業の事例を参考にする

電球が光る

異業種や異分野の企業のビジネスモデルや事業展開を
自社の製品、サービス展開において参考にすると、
全く新しいイノベーティブなものにつながる可能性があります。

たとえば、B2B企業であれば、B2C企業の取り組みを、
B2C企業の方であれば、B2B企業の取り組みを参考にすると大きなヒントとなります。

また、長年、自社や自社業界で懸念事項となっていた課題が、
別の業種、業界ではすでに解決済の場合があり、
これを見つけられると、課題解決の強力な武器となります。

これは業界ごとに、これまで注力してきた課題の領域が異なるために、
時間差で、課題が解決されている場合があるからです。

B2BとB2Cといったように、対象となる顧客層が異なると、
何らかの取り組みにこれまで投入したリソースに、大きな差があるため、
自社や自社業界では見つけられなかった方策がすでに取られている可能性があります。

ここでポイントとなるのが、
異業種、異分野の解決策をヒントにして、自社の領域との知見や状況を鑑みながら、
カスタマイズして、課題に取り組むことです。

カスタマイズしないと、業界慣習が異なることで
方向性は良かったのに失敗してしまう危険性があるためです。

また、別領域のアイデアは、面白いけれども「すぐには使えない」と
思う場合もあります。
しかし、その場合でも別領域のアイデアが生きてくることがありますので、
異分野、異業種の取り組みで、面白いと思ったことや、
そこで気がついたこと、気になったことは、記録として残しておくことも大切です。

B2B企業がB2C企業を研究する具体的な方法

異業種、異分野の取り組みを継続的に研究、考察している企業の取り組みを紹介します。

あるB2B企業では、
その年に流行したB2C商品を試す会議を毎年行っています。

たとえば、2012年頃に大ヒットをしたB2C商品に
「マルちゃん正麺」があります。

 

「マルちゃん正麺」は、インスタントラーメンで、切り出した生麺を
独自製法で乾燥させることで、これまでにはない生麺の食感と美味しさを
実現した、画期的な商品です。

2011年11月の発売から、約4年で累計出荷数が10億食を突破する大ヒットとなりました。

この「マルちゃん正麺」について、ある年の会議では、
他社の袋麺との食べ比べを行い、優れた点の話し合いを行いました。

そして、知財の調査、研究が同時に行われました。
他社商品とは、何が知財として異なるのかを公開されている知財情報から読み解いていきます。

さらにその商品の知財の優れている点を
自社製品に応用した場合、どのようなことが考えられるかを議論していきます。

異なる新しい知見と自社の知見を組み合わせることで
まさにイノベーションを生み出す取り組みです。

さらにこの企業では、調査した商品の企業に直接アプローチし、
研究者同士の議論の場を設定しています。

すると、公開情報だけからは分からなかった商品、サービスの本質に
近づくことができるのです。

相手企業にとっても、自社の製品を深く研究した異業種の方と議論をすることは、
新しい気づきや発見につながるので、双方にとってメリットのある取り組みとなっています。

逆にB2C企業がB2B企業を参考にする場合は、
工場見学や管理体制、研究開発の仕組みなどが参考になります。

可能であれば相手の企業の方と議論をする場が設定できると
大きな収穫につながります。

まとめ

異業種や異分野の企業のビジネスモデルや事業展開を
自社の製品、サービス展開において参考にすると、
全く新しいイノベーティブなものにつながる可能性があります。

また、自社、自分の業界において長年の課題事項であっても、
異業種、異分野の企業ではすでに解決されている場合もあり、
そうした事例が見つけられると、課題解決が一気に進みます。

イノベーションは新結合による新しい価値創出の取り組みです。
異なる業界の取り組みを、自社や自分の業界の強みや特徴と
組み合わせることは、イノベーションとなる高い可能性を秘めています。

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

補足

セミナーやイベント、勉強会で発表された「他社事例」を参考にして、
自社で施策を展開する際のコツについて、下記の記事でまとめましたので、
一度ご参照いただければ幸いです。

外部のセミナー、勉強会を活用する際のポイント:二種類に分けて考え、事例を取り込む
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