事業スピードと製品・事業寿命の観点からの戦略:「ポケモンGO」のシャークフィン

岩だらけの山 イノベーション

近年、製品やサービスのライフサイクルが短くなる傾向があります。
この傾向は、業界を問わず広がっているため、
戦略策定の際に前提条件として意識していく必要があります。

今回の結論としましては、
製品ライフサイクルの短命化に対応するために、
開発のスピードを上げていくことが必要、ということになります。

そして、開発スピードを上げるためには、
「完璧」を目指さず、6割程度でも市場に投入する意識が重要となります。

次の章から詳しく見ていきましょう。

技術の人口普及率が50パーセントになるまでの年数

製品やサービスのライフサイクルが短くなっていることは、
多くのビジネスパーソンの方が、
日常生活のなかで感じられていることではないでしょうか。

技術の視点から見た場合でも、
「ある技術」が開発され、製品化されて、人々が使うまでの時間は
年々短くなっています。

アメリカにおいて、なにかの技術が開発されてから、
人口普及率が50パーセントに達するまでの年数に関する調査があります。

この調査によると、

自動車80年以上、電話70年、ラジオ30年、テレビ30年、インターネット20年未満、携帯電話10年、

という数字が出ています。

日本においても同様の調査がありますが、近い数字で推移をしています。

日本でのスマホの普及率は、
2010年に発売されてから、約3年で人口の50パーセント達し、
約7年で普及率80パーセントに至っています。

自動車やテレビがゆっくりと普及していったのに対して、
スマホの普及は、非常に速いスピートで展開されていることが分かります。

この背景には、グローバルでの製造や販売体制の充実、流通網の整備があり、
世界が小さくなっていることがあります。

また、インターネットの普及により、
製品情報が拡散しやすい環境もひとつの要因となっています。

ポケモンGOに見る急速普及

特に、ソフトウェアに関係したB2Cのサービスの場合は、
そうした特徴が顕著に現れています。

2016年にリリースされた
スマホ用のゲームアプリ「ポケモンGO」は世界的な大ヒット製品ですが、
200日で、アプリ内課金の総額が1100億円に達します。そして、その後急降下します。

アプリ業界ではリリースから90日が経過すると、
9割がアンインストールされるそうですから、
開発企業としては、いかに短期決戦を制するかを命題としています。

「ポケモンGO」の売上推移を見ると、
垂直に売上が立ち上がり、しばらくすると急速に衰退する様子が分かります。
「シャークフィン」というサメのヒレのような推移をしていることが見て取れるのです。

(「ポケモンGO」の場合は、その後も継続的なマーケティング活動が行われ、
製品としても人気が根強いため、マレな例ではありますが、売上が継続しています。)

ライフサイクルが短くなっていることを前提として戦略を立案する

このような急速な普及と衰退が、
全ての製品やサービスで展開するわけではありませんが、
以前と比べて、あらるゆ製品やサービスのライフサイクルが短くなっていることは確かです。

グローバルで製品やサービスが急速に普及するということは、
売上も一気に上がる反面、長期的な収益は見込めなくなります。
製品やサービスのライフサイクルも短くなることが考えられます。

製品やサービスのライフサイクルが短くなった時代において、
企業はどのような対応が必要となるでしょうか。

より開発のスピードを早くしていく対応が必要と考えられます。

日本企業において、
開発のスピードアップを阻む一番の問題は、
「完璧を目指す」意識があることです。

こうした意識を変えていくためには、
6割程度の完成度でも、市場に出し反応をうかがう対応を推し進めることを
企業として「是」としていく必要があります。

他社でも、開発のスピード上がってきているため、
市場へ出すことが出遅れてしまうと、その遅れの影響が
以前と比べて大きくなってしまいます。

まとめ

製品ライフサイクルの短命化に対応するために、
開発のスピードを上げていくことの重要性について述べました。

日本企業では、製品やサービスについて、
完璧を目指す傾向があります。

完成度の高い製品やサービスは、日本企業の優位性ではあるのですが、
これからは、開発のスピードについても、大きな課題として
対応をしていく必要があるということです。

開発スピードのアップについては、様々な施策がありますが、
意識の方向性として6割程度の段階まで進んだならば、
まず市場の反応を見るため、市場投入を行い、
そこから調整を行っていくという考え方が良いと捉えています。

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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