新規事業担当の方の評価方法の2つのパターン

インタビューと法廷ハンマー 人事

新規事業担当者の方の評価は難しい問題です。

新規事業のテーマがうまく事業化され、
市場でも高く評価されれば、
もちろん担当者の方は高い評価につながります。

しかし、新規事業が事業化するまでは年数がかかり、
成功していない段階での評価をどのようにするか
企業によって対応が分かれています。

また、残念ながら新規事業がうまくいかず、
失敗となった場合の評価をマイナスにしてしまうと、
担当者の方のモチベーションに大きな影響出てしまいます。
かといって、プラスに評価してしまうと、
担当者の方が誤解をしてしまったり、他部署の社員との軋轢を
生む結果となってしまいます。

評価をする側として悩ましい問題ではありますが、
評価を受ける側としても、
評価がどの様になっているのか、他社の状況も含めて
知りたいところかと思います。

今回は新規事業担当者の人事評評価について解説してきます。

既存事業と同じ評価尺度、軽重では難しい

新規事業の担当者の方の評価について、
難しいのは、目に見える成果が出ていない段階での
評価をどのように判断するかという点です。

既存事業の人事評価尺度に当てはめてしまうと
目に見える成果が出ない段階では、
低い評価や、(高い評価をした場合)説明がつきにくい評価
となってしまいます。

新規事業においては、目に見える成果が出るまで、
時間がかかります。

成果の出ていない時期に、あまりに低い評価をしてしまうと
担当者のモチベーションを維持することが難しくなります。

かといって、成果の見えない段階で、
高い評価を与えると、既存事業から
「稼いでもいない部署がどうして高い評価をされるのだ」
と不平につながります。

こうしたことから多くの企業では
新規事業担当者の評価を行う際に次の2つのパターンで対応しています。

1)結果の出ていない段階では、平均値の評価とする

結果の出ていない段階では、全社員の平均値で評価とするというのは、
多くの企業で行われている評価方針です。

新規事業やイノベーションに対して、
担当者自身が、関心がある、興味がある、積極的に取り組みたい
というに意欲を持っている方が多い場合に特に有効です。

意欲のある方の場合は、新規事業に携わっていることが
大きなモチベーションにつながっており、
新規事業のプロセスについて理解もあるため、
成功した場合には評価が付いてくるという認識を持っています。

そのため、成果の出ていない段階で、
平均値の評価をしてもらってことを肯定的に捉えることにつながります。

新規事業に対して
意欲の高いメンバーを選べている際には、平均値評価で
進めれば良いと考えます。

しかし、新規事業に対して、それほど意欲がない
多い場合は注意が必要です。

新規事業担当者の方の負荷は、既存事業よりも高い場合が多く、
「こんな大変なことはやっていられない、既存事業に戻してほしい」
となってしまう可能性が出てきます。

新規事業の成功確率は、担当者の方の意欲も重要な要素であるため、
人選基準のところから、構築し直す必要があります。

2)新規事業に関しては、既存事業とは異なる評価の軽重で行う

もうひとつが
新規事業に関しては、既存事業とは
異なる評価の軽重で行うという方法です。

新規事業のフェイズごとに評価軸の軽重を変えていきます。

新規事業のフェイズを大きく分けると以下の3つとなります。

(1)課題発見、調査、企画、事業モデルの策定段階
(2)製品、サービスの具体化、開発、
(3)事業化

(1)や(2)の段階では、
新しい考え方、行動、努力、苦労、試行錯誤の跡
といったものが認められれば、プラスに評価をします。

(1)、(2)段階では、
既存事業で大きな評価軸のひとつとなっている
売上や黒字化という点につて、行動評価に移し替えるイメージとなります。

(3)の段階では、他部署との協力していくか、
あるいは、既存事業への受け渡しをしていくことになるため、
このあたりから、ゆるやかに既存事業の評価軸の軽重具合
に組み込んでいきます。

また、結果的に失敗したとしても、
行動面での結果が認められる場合は、
マイナス評価をしないこともポイントです。

新規事業に関しては、既存事業とは異なる評価の軽重で行う場合は、
行動面での判断も多くなるため、
担当する部長が新規事業担当者の一人ひとりの行動を
日頃から見ていくことが必要となります。

担当者の納得が得やすい評価となりますが、
その分、評価側の負担が大きいというのが課題となります。

まとめ

新規事業担当の方の評価については、
1)結果の出ていない段階では、平均値の評価とする
2)新規事業に関しては、既存事業とは異なる評価の軽重で行う
の2つのパターンが多くの企業で行われています。

この2つを組み合わせている企業もあるようです。

新規事業という正解のない分野を、
給料という数字に置き換えていくのは、
非常に難しい問題ですが、
うまくプラスのほうに評価をしていくことが大切だと考えています。

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

補足

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是非、一度ご参考いただければ幸いです。

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