新規事業、イノベーションを起こす:自社の強みと、自分自身の気づきを組み合わせる

日本の緑の庭新規事業

「イノベーション」は「新結合」を意味しています。

イノベーションとは:イノベーションは「技術革新」ではなく「新結合」
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しかし、「何と何を組み合わせれば良いのか」
「組み合わせの考え方はどのようにすればよいか」
について、疑問を持たれるかと思います。

この時に有効な打ち手となるのが
「自社の強み」×「個人の気づき、課題意識」を組み合わせて考える方法です

企業としてイノベーションや新規事業を考える場合は、
自社の優位性を主軸に、それをどのように展開するかを個々人に求めることで、
他社とは異なる複数の可能性にたどり着くことができます。

「自社の強み」の発見については、
以前の記事でご紹介していますので、ご参考いただければと思います。

新規事業、イノベーションにつなげる自社の強みの見つけ方
新規事業やイノベーションの創出をスタートさせる際には まず、自社の強みを把握することが必要です。 イノベーションは「新結合」です。 自社の強みと別の要素を組み合わせることで、 これまでにはない価値を生み出すということが王道的な対応と...

今回は、組み合わせの一方としての、
「自分自身の気づき、課題意識」について解説します。

困りごとが、新規事業やイノベーションの種となる

多くの皆様が、
日々生活をするなかで、「困ったこと」があるかと思います。

私自身は、長年「聴覚過敏」に悩まされており、
耳が勝手に「聞こえなくてもよい音」まで拾ってしまうために、
日常生活での音の問題に悩まされています。

たとえば、出張などでホテルに宿泊した際に、
自動空調の重低音が聞こえてしまい、
部屋の位置によっては、夜に眠れないということもありました。

加えて、私自身は眠れない状況であっても
家族や友人たちはそれほど不快には感じておらず、
問題として捉えてもらえません。

個人差がある問題だということです。

さて、ここからが本題なのですが、
たとえば「音」が気になる人は、世の中に一定の割合で存在します。

こうした人たちは、たとえば「静かなホテル」ならば、
宿泊費が高くても利用したいと考えます。

音の問題は、一定の割合の人たちにとって、
解決ができれば非常に大きな付加価値があると判断できるからです。

さらに抽象化を一歩進めて考えてみます。

世の中には、五感に課題を抱えている人が一定数いることが確認できます。

視覚であれば、まぶしさや色といった問題。
嗅覚であれば、においの問題。
味覚であれば、食べ物、飲み物、あるいは口のなかに関する問題。
触覚であれば、触れることの問題。

たとえば、匂いの問題として、
香りの残る柔軟剤が大きな問題となっていますが、
実はもっと他に匂い問題で悩んでいる人たちがいて、
課題があるのかもしれません。

「五感」を通じて、ご自身で「困った」と感じたことはないでしょうか。

もしあれば、それを自社の強みで解決できるアプローチを検討してみてると、
新結合につながる可能性があります。

五感をテーマにした課題解決は日本人に優位性がある

今回は「五感」をテーマにした「困りごと」からの新結合へのアプローチを
ご紹介いたしましたが、
この洞察方法は日本人の特性を生かせるものだと考えています。

日本人は「周囲の少しの変化」に対しても、気づきやすいため、
「市場でまだ課題と捉えられていない課題」について、
五感の観点から認識できる可能性が高いためです。

課題だと認識できれば、
時間はかかってもいずれ解決方法を見つけることができます。

(逆に言えば、「市場でまだ課題と捉えられていない課題」を見つけることは、
なかなか難しいということです)

どうして日本人が、「周囲の少しの変化」に気づけるかについては、
日本という国の気候風土が大きく関係していると考えてます。

日本には四季があり、他の国と比べてると、
日々の生活のなかで、五感を通じて「周囲の少しの変化」を察知することに優れています。

日頃の天気予報でも、翌日の天気の予想について述べるだけではなくて、
日々の気温や、太陽の光、風の爽やかさといったことについても、
気象予報士の方が必ずコメントをしていますね。
意識するとしないとに関わらず、変化への洞察が日常的になっているのです。

『古今和歌集』には、藤原俊之の歌として

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」

が掲載されています。

現代語訳にすると、

「秋が来たと、外の景色からははっきりは分からないが、
風の音が、夏とは違うことではっと気がついた」

と解釈ができます。

四季のうつろいを敏感に感じ取ることは、
目に見えないものを感じて気づくことにつながります。

五感から得た気づきは新規事業やイノベーションに展開できる可能性が
高いと考えます。
それは個々人が抱えている課題を内包する気づきがスタートとなっているからです。

まとめ

パズルピース

「自社の強み」×「個人の気づき、課題意識」を組み合わせることで、
これまで「市場では認識されていなかった課題」を発見できることをご紹介しました。

「個人の気づき」は、社員一人ひとり異なるため、
他社とは違う課題設定につなげられます。

自社と近いコア技術を持っている企業があったとしても、
課題に気づかなければ、後追いとなるため引き離すことができるのです。

日々の生活のなかで、ご自身の気づきや困ったこと、課題意識について
拾っていくことで、大きなものにつながる可能性があると認識していただければ幸いです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

補足

自社の強みの見つけ方については、下記をご参照いただければ幸いです。

新規事業、イノベーションにつなげる自社の強みの見つけ方
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参考となる書籍のご紹介

個々人の気づきの重要性を述べましたが、気づきに至るまでには、
日頃から、観察や洞察といった訓練をしていくことが重要だと考えています。

下記の『13歳からのアート思考』では、
自分の内面にある知見と興味で、いかに世界を切り取っていくかについて、
述べられています。

そのための練習として、アート作品の鑑賞を通じた
気付きへとつながる訓練方法を紹介しています。

タイトルに「13歳」とあるのは、「美術」に対して
苦手意識を持つ分岐点となるのが、この年齢であるためで、
本書は特にビジネスパーソンの方にとって、
非常に有意義な「ものを見るスキル」の獲得の一助となります。
是非、ご一読ください。

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