2021年10月31日に行われ 第49回衆院選では、
自民党が、単独過半数を越えました。
岸田内閣は、短期政権に終わるという観測がありましたが、
今回の単独過半数を受けて、
政権は中長期となる可能性があります。
岸田内閣の経済ブレーンは内閣府参与の
原丈人氏のようです。
原氏は下記の経歴を持つ人物。
81年米スタンフォード大学工学部大学院修了。
84年、ベンチャーキャピタルのデフタ・パートナーズを設立。
85年、新産業育成などを目的にアライアンス・フォーラム財団を創設。
デフタ・パートナーズ グループ会長のほか、日本の内閣府参与も務める。
スタンフォード大学の時代には、
アップルのスティーブ・ジョブズ、
サン・マイクロシステムズを創ったスコット・マクニーリー、
後のマイクロソフトCEOとなるスティーブ・バルマーなどとも
交流を持っています。
グローバル視点で、日本と他国の分析を通じた課題意識を持っており、
現状の株主資本主義が、人々に良い影響を与えていないと主張。
株主への分配ではなく、企業は社会全体への分配を行う必要があるとしており、
「公益資本主義」を提唱しています。
原氏の「公益資本主義」の考えを知っておくことは、
今後の施策意図につながるため、重要かと思います。下記書籍が参考となります。
ところで、次のような記事が出ています。
2020年10月5日 2:00「日経新聞より」
内閣府参与の原丈人氏「世界は『公益』に向かう」
記事の中で注目したい点は、下記となります。
>会社は利益を上げ、そこから法人税を支払って残ったお金を積み立てていきます。
>以前の日本の会社法は現在の欧州と同じく、
>法定資本や法定準備金は配当や自社株買いには使えませんでした。
>利益の一部を強制的に留保させる利益準備金も同様です。
>ところが、会社法を何回か改正した結果、
>自社株買いや配当原資に自由に使えるようにしてしまったのです。
>米英型の株主資本主義を重視した結果です」
>これを以前のように、会社に一定規模の資金が留保されているという状況に戻します。
>感染症の流行や、地震、津波など自然災害が起きて売り上げが大幅に減少する事態になっても、
>銀行から緊急融資を受けず、政府の補助金に頼ることもなく、
>逆境を乗り越えるまで社員に給与を払い続ける余力が生まれ、
>それにより社員とその家族の健康と生活を守ることができます
この発言の真意は、
株主配当金の多くが、海外投資家に流れており、
これを精度的にストップし、その分のお金を社会に回したい
ということとなると考えられます。
これだけですと、恐らく、
内部留保が増える結果につながるため、
別の施策との組み合わせとなると。
>まず社員とその家族を守ることを第一にする。
>それからお金を配当に回すのではなく、将来の分野にしっかり投資する。
>そのほうが、会社が成長するので、株主ももうかります。
>日本の会社は優秀な人が多いですから、
>社員が考えることを尊重する仕組みになれば、いろいろなことができるはずです
上記から考えますと、今後研究開発分野への
投資が、制度として優遇される可能性が高いと推察しています。
研究開発投資への税制優遇が行われた場合に、
どの分野に注力をすべきかを「今」検討することが必要です。
他社に先んじる意味もあるのですが、
たとえば、仮に設備系の増強を検討した場合、
現在、製品不足が顕著であるため、今段階から検討し、
場合によっては準備を進める必要がありそうです。