グローバルでのサプライチェーン混乱を、企業として活かすには

経済動向

2021年11月3日現在、
グローバルでのサプライチェーンの混乱が起きています。

問題の現れ方の典型的な例としては、
半導体が不足し、
自動車や電子部品の生産ができないというものです。

日立製作所やファナックでは半導体、部品不足により、
業績予想の下方修正が報道されています。

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半導体だけではなく、多くの電子部品でも
部品不足が起きており、深刻な影響がうかがえます。

いつ頃回復するかについての予測も難しくなっています。

それは、グローバルでは下記4つの問題が起きており、
それぞれが複雑に絡み合うため、
変数が多く、先行きの見通しが立てにくいためです。

①グローバルでのサプライチェーンの混乱
②工場停止による生産活動減がもたらす品不足
③エネルギー価格の高騰
④インフレ

企業としても、様々な対応しているところかと思いますが、
まず、商品の部品がないこと、届かないことは
最も大きな問題でしょう。

サプライチェーンの見直し対応については
以前の記事でも、重要性をお伝えしてきました。

サプライチェーンの再構築の4つのアプローチ
新型コロナウイルスの影響に対して、 これまで企業は様々な対応を行ってきました。 特に2020年4月以降の半年の間では、在宅勤務への対応といった 社員の直接的な働き方の部分に力が入れられてきましたが、 そうした対応も一巡し、慣れてきたという面...
ポストコロナ時代の経営課題:サプライチェーンにおける「レジリエンス、スラック>経営効率」
新型コロナウイルスの影響により見えてきた企業の課題として、 「グローバルサプライチェーンが考えられていた以上に脆弱であった」 というものがあります。 特に製造業においては、部品の多くが中国に依存していたため、 今回、武漢周辺の工場がストップ...

しかし、今回、グローバルでの情勢を見ていますと、
長期化、あるいは別の要因でさらにサプライチェーンが混乱することの
可能性を視野に入れる必要があるのではないかと考えています。

今回、特に海外からのものが届かないことについて、
言い方は非常に難しいのですが、
輸入が難しい局面が続いた場合に、
どう対応するかの予行演習、実験と捉えて、
本格的な対応を検討すべきと考えます。

現段階で行うべきこととしては、
不足するものの洗い出しをし、代替部品をどうするか、
考えていく必要があるかと思います。

これは製造工場の
日本回帰の問題も含めて検討すべき問題となります。

これらを考える際に下記の記事が参考となります。

トヨタが半導体不足で減産する一方、テスラが生産台数を大きく伸ばした理由
<世界的な半導体不足で自動車メーカーは減産が相次ぎ、トヨタは9月の国内販売が前年...

>テスラはどのようにして半導体不足を乗り切ったのか?
>カギは「垂直統合型」にあった。

>テスラはEV(電気自動車)のモーターからバッテリーパック、
>そして車体に至るまで内製している。
>それらは単にハードウエアに留まらず、
>ソフトウエアまで自社で設計している点が既存の大手自動車メーカーと大きく違う。

>テスラはハードもソフトも含んだ「垂直統合型」で電気自動車を作り上げている。

>今回の半導体不足が起きたとき、
>テスラは納期が長くなってしまった半導体にこだわるのではなく、
>短納期で入手できる別の半導体を見つけ出した。

>そして、半導体のファームウエアを数週間で書き換えて使えるようにした。
>ファームウエアとは半導体の基本動作を司る
>OS(オペレーティングシステム)のようなものである。

>ただし、それだけでは不十分で、関連するソフトプログラムまで自社で修正した。

テスラが行ったように、垂直統合型のものづくりについて、
現在、試してみる絶好の機会とも言えます。

ごく一部の範囲で構わないと思いますので、
こうした問題意識を持って、平時に試験的に運用してみることができるかが、
「平時ではない」時代が来ることへの備えになるかと思います。

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