2021年11月3日現在、
グローバルでのサプライチェーンの混乱が起きています。
問題の現れ方の典型的な例としては、
半導体が不足し、
自動車や電子部品の生産ができないというものです。
日立製作所やファナックでは半導体、部品不足により、
業績予想の下方修正が報道されています。
半導体だけではなく、多くの電子部品でも
部品不足が起きており、深刻な影響がうかがえます。
いつ頃回復するかについての予測も難しくなっています。
それは、グローバルでは下記4つの問題が起きており、
それぞれが複雑に絡み合うため、
変数が多く、先行きの見通しが立てにくいためです。
②工場停止による生産活動減がもたらす品不足
③エネルギー価格の高騰
④インフレ
企業としても、様々な対応しているところかと思いますが、
まず、商品の部品がないこと、届かないことは
最も大きな問題でしょう。
サプライチェーンの見直し対応については
以前の記事でも、重要性をお伝えしてきました。
しかし、今回、グローバルでの情勢を見ていますと、
長期化、あるいは別の要因でさらにサプライチェーンが混乱することの
可能性を視野に入れる必要があるのではないかと考えています。
今回、特に海外からのものが届かないことについて、
言い方は非常に難しいのですが、
輸入が難しい局面が続いた場合に、
どう対応するかの予行演習、実験と捉えて、
本格的な対応を検討すべきと考えます。
現段階で行うべきこととしては、
不足するものの洗い出しをし、代替部品をどうするか、
考えていく必要があるかと思います。
これは製造工場の
日本回帰の問題も含めて検討すべき問題となります。
これらを考える際に下記の記事が参考となります。
>テスラはどのようにして半導体不足を乗り切ったのか?
>カギは「垂直統合型」にあった。
>テスラはEV(電気自動車)のモーターからバッテリーパック、
>そして車体に至るまで内製している。
>それらは単にハードウエアに留まらず、
>ソフトウエアまで自社で設計している点が既存の大手自動車メーカーと大きく違う。
>テスラはハードもソフトも含んだ「垂直統合型」で電気自動車を作り上げている。
>今回の半導体不足が起きたとき、
>テスラは納期が長くなってしまった半導体にこだわるのではなく、
>短納期で入手できる別の半導体を見つけ出した。
>そして、半導体のファームウエアを数週間で書き換えて使えるようにした。
>ファームウエアとは半導体の基本動作を司る
>OS(オペレーティングシステム)のようなものである。
>ただし、それだけでは不十分で、関連するソフトプログラムまで自社で修正した。
テスラが行ったように、垂直統合型のものづくりについて、
現在、試してみる絶好の機会とも言えます。
ごく一部の範囲で構わないと思いますので、
こうした問題意識を持って、平時に試験的に運用してみることができるかが、
「平時ではない」時代が来ることへの備えになるかと思います。