企業や個人が災害に対して日頃から準備をしておくことは重要なのですが、
いつくるのか分からないことやイメージしにくいため、
どうしても後回しになってしまうこともあるでしょう。
今回、三菱地所が、富士山噴火を想定して
マニュアル作成を行っている記事をご紹介します。
内閣府の資料のページもご案内しましたが、
こちらを読むと、富士山が噴火した際に、
ご自身のお住まいのところで、いつ、どのくらいの影響が出るのかが
イメージできるかと思います。
富士山噴火、都市機能は最大2週間麻痺。三菱地所が対応マニュアル
2021年11月11日「Impress Watch」より
■記事転載■
三菱地所は、富士山噴火による火山灰降灰を想定したビル
運営管理の行動手順を策定した。
2020年4月に中央防災会議が公表した富士山噴火をモデルケースとした
「大規模噴火時の広域降灰対策について」で提示された、
降灰影響による首都圏の停電や交通インフラ停止といった状況に対応するもの。
対象エリアは、首都圏で本社機能が多く集積する
大手町・丸の内・有楽町エリア(大丸有エリア)。
行動手順では、噴火とその後の気象庁の降灰予報、
実際の降灰状況などに応じたビル機能の維持・避難誘導
・帰宅困難者受入等に関するタイムラインの他、
必要資機材や備品について定めている。
想定される被害は、富士山噴火時に西南西風が吹き、
大丸有エリアに1時間で5mmのペースで最大100mmの降灰が発生。
これにより鉄道、道路、物流、電力、上水道、下水道、通信は、
降灰開始数時間後~2週間程度機能が停止するという。
行動手順は、同社が大丸有エリアに所有する
約20棟(丸の内ビル・新丸の内ビル等)を対象とする。
富士山噴火後は気象庁からの発表に基づき、
当該エリアに多量の降灰が予測される場合、
降灰・電気供給・鉄道運行等の状況に応じて、
予め定めたタイムラインに基づく対応を行なう。
オフィス就業者、店舗従業員、来館者等については、
降灰により交通機関が麻痺する前に、
館内アナウンスなどで早期帰宅を促すが、
帰宅困難者が発生した場合は建物の安全性
(=帰宅困難者の安全性)が確保される範囲で受入対応をする。
タイムラインは下記の通り。
⇒早期帰宅を推奨するお知らせ等
⇒ ビル設備の降灰対策・停電対策準備
⇒ 空調機フィルター等のメンテナンスを継続
⇒ ビルスタッフ以外は避難
⇒ 全員避難
施設については、降灰による空調機のフィルター目詰まり対策として、
予備のフィルターを確保し、屋上の排水管閉塞防のための施策を行なう。
断水に備えて上水・雑用水の水槽貯水量を
最大限増加させる施策など、ハード対応を行なう。
降灰対策用に必要となる備品も整理し、
既存の地震対策用備品に加え、災害対応の領域を広げる。
今回は、灰清掃用の備品として、防塵マスク、防護メガネ等を配備する予定。
■気づいた点■
(補足資料)
三菱地所のプレスリリース
https://www.mec.co.jp/j/news/archives/mec211111_volcanic%20ash.pdf
内閣府が、
2020年4月に中央防災会議で公表した富士山噴火をモデルケース
お時間がある方は、内閣府の資料にお目通しを
いただくのが良いかと思います。
仮の想定が大部分を占めるので、専門家の方も
断定しにくい部分があることが感じられます。
個人的な印象としては、
東京においては、下記が想起されるかと思われます。
・噴火から3時間ほどで火山灰の影響が出る。
・3センチ以上の降灰で交通手段、生活インフラに影響。
・10センチ以上の降灰であると、上下水道も含めて影響。
・期間は2週間程度が想定されているが、
通常の社会生活に戻るまでにはもう少し時間がかかる。
・噴火場所から遠いほど、灰の粒子が細かくなる。
小麦粉のようなガラスが降ることをイメージ。
呼吸器系、眼などの粘膜を保護することを意識する必要性。
・大規模な降灰の場合でも、
防塵性を持つJIS 規格5~6 級の端末
であれば、火山灰による影響も発生しにくいと考えられる。
企業としては、三菱地所が想定したようなタイムラインを
事前に策定しておくことは極めて大きな意味があるかと思います。
個人の方としても、何が起きるかをイメージしながら、通常の備蓄とともに、
噴火の際に何が必要となるかを考えておく必要がありそうです。