ロードマップの基本と2つの活用ポイント

古い地図とミニチュアの車イノベーション

多くの企業で、全社方針やプロジェクトの策定、
新規事業やイノベーションを起こす際に、
ロードマップが活用されているのではないでしょうか。

ロードマップは策定することで、
現在の自社が置かれている状況、環境をどのように理解すれば良いか、
そのうえで事業の方向性が、事業戦略と結びついているか、
今後どのようなプロセスで進めていくべきかの方向性が見えてきます。

また、ロードマップを策定するなかで上記のような内容をメンバー間で
共有すること(合意形成)につながり、
メンバーの意識を束ねて事業に当たることが可能となります。

新規事業やイノベーション創出にあたって、
今後自社としてはどうすべきか悩んでいる場合にも
まずロードマップを作ってみるということは有効です。

今回と次回にわたり「ロードマップ」について解説します。

ロードマップとは

「ロードマップ」は、経営全体の方針や事業の方針から、
「将来のありたい姿」を策定し、
「現在の自社が置かれている状況」から
どのような筋道で進めていくかか推測、計画するという方法です。

ポイントとなるのは、
未来(将来のありたい姿)から、現在をさかのぼって
筋道を概念的に考えていくという点です。

通常の事業プラン、あるいはスケジュールといったものは、
現在から思考をスタートさせ、
現在の行動が積み重ねて推測することで、
現実的な将来像を組み上げていきます。

現在から思考をスタートさせる方法は、現実的なのですが、
不確実性の高い状況であったり、
新規事業やイノベーションを考えた場合、
先が見えず計画段階での進捗が止まってしまうことが多くなります。

そこで、将来像からバックキャストのイメージで、
なにをすべきかを現在に落とし込んでいくという考え方が、
ロードマップの根本にあります。

ロードマップの見本

ロードマップの見本として
経済産業省の自動運転に関するロードマップをご紹介します。

官民 ITS 構想・ロードマップ 2018
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20180615/siryou9.pdf

P75以降の「ロードマップ」をご参考ください。

「世界一安全で円滑な道路交通社会」という「将来的にありたい姿」
からスタートして、現状に戻り、そこからどのような道筋を辿っていくかが、
概念的に説明されています。

ロードマップのひな型はいくつかありますが、
右側に「将来ありたい姿」、左側に「現状」、上部に「年度」という形が
いずれの企業でも使いやすいと考えています。

活用の際の2つのポイント

一方、「会社でロードマップは策定したもののイマイチ活用されている実感がない」
という場合があります。

ロードマップは、作ることも大変であるため、
作って発表して終わりというケースがこれまで多々ありました。

しかし、ロードマップは作るだけで終わってしまうともったいないものです。
下記の2つポイントを意識して、策定、活用していくことでその真価が発揮されます。

(1)意識共有のツールとして活用する
(2)複数のテーマを展開する場合、優先順位、リソース配分の検討に活用する

意識共有のツールとして活用する

新規事業やイノベーションを起こそうとした場合、
関係者で、どのような方向性を目指していいるのか意識統一をする必要があります。

関係者でロードマップを作成を行うと、新規事業やイノベーションについての
意識統一がなされます。

完成したロードマップをもとに、
具体的なアクションプランに落とし込んでいきますが、
その際に、参加メンバーたちは一定の方向性で動くことが可能となります。

複数のテーマを展開する場合、優先順位、リソース配分の検討に活用する

一定の規模の企業の場合、新規事業やイノベーションについて、
複数のテーマを動かしていることと思います。

ロードマップを策定することにより、どの優先順位でテーマに取り組むか
また、リソースをどう配分するかが見えてきます。

優先順位については、ロードマップを策定するなかで、
事業の方向性の再認識ができますので、事業の方向性との距離感から検討していきます。

リソース配分については、集中する方向で考えます。

たとえば、10人の担当者の方がいたとして、10のテーマがあったときに、
1つのテーマに1人の担当者を10年配置するのではなく、
1つのテーマに10人の担当者を1年配置するという考え方です。

そして、テーマが完成したら、次々に次のテーマに取り組むというイメージです。
取り組むテーマの順番についても、ロードマップで見える化していくと、
分かりやすいものとなります。

リソース配分について、ロードマップを活用して集中化をしていくことで、
事業化のスピードアップにつながります。

まとめ

新規事業やイノベーションの際の
目標設定として、「ロードマップ」の活用をご紹介しました。

ロードマップは第一に、
意識共有のツールとして活用すると、大きな力を発揮します。

ちなみに、メーカー各社のロードマップは、
株主への投資情報として公開されている場合があります。

ライバル企業のロードマップは非常に参考になりますので、
この機会に一度ご覧になってみるのも良いでしょう

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

追記

具体的なロードマップの作り方については下記の記事をご参照ください。

ロードマップの作り方の基本:6つのプロセスで進める
前回は、 ロードマップの基本と活用のポイントについて述べました。 ロードマップは、未来基軸で 現在から将来への道筋を推測、計画する手法です。 また、「あるべき姿」に至るまでの道のりを 関係者の間で意識共有のツールとして活用する...

また、ロードマップの策定と付随して、
「ステージゲート法」についても解説しています。是非、ご参考にされてください。

ステージゲート法の進め方(1):新規事業創出を成功させるポイント
現在、多くの企業で、 新規事業創出のために「ステージゲート法」が導入されています。 「ステージゲート法」はある一定以上の規模の企業で、特に研究開発の場面で、 新規事業をマネジメントする手法としては、非常に有効で、 成果につなげている...

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