「モノ売り」から「サービス化」の視点で「自社の真の価値」を知る

スイミングプール新規事業

新規事業を検討したり、事業計画を見直す場合などで
自社の強みについて、再認識することは非常に重要です。

自社の強みについては、もちろん自社の社員の方が最もよく理解しているかと思いますが、
一方で、社内から見た場合と社外から見た場合で、
別のところに価値の本質が見いだされるということがしばしば起こります。

特に自社内では、製品そのものに価値を見出しているのに対して、
社外の顧客側は、製品が提供しているサービスに価値があると考えられている場合は、
「モノ売り」から「サービス化」の視点で、
新しい顧客価値を生み出すことにつながる可能性があるため、
次の一手として大きなヒントとなる場合があります。

今回は事例を通じて、「モノ売り」から「サービス化」の視点で
自社の本当の強みについて考えてみたいと思います。

真の価値がサービスにある可能性を考える

顧客からの指摘をヒントにして、真の企業価値に気づき、
「モノ売り」から「サービス化」への転換を実現し、
大きな成功につなげた事例を紹介します。

L社は、産業用の「純水」を製造する「機械を販売している」会社です。

「純水」は、通常の水に含まれる微量なイオン成分をカットすることで、
電子部品や精密機械の洗浄用や精密な実験、分析用に使われています。

L社の機械は、性能が高く安定しており、多くの企業が各工場に導入し、
企業業績としても安定した内容となっていました。
L社では、この機械の製造販売が大きな事業の柱となっており、
自社のコア事業について、社員は「純水器」の開発、製造販売と捉えていました。

ところで、「純水」を作るという機械の特性上、日々のメンテナンスが必要となります。

純水器の販売は売れば終わりで、
メンテナンスについては、導入先の企業が担っていました。

ある時に、顧客企業から「この工場で必要なのは『純水』だ」と言われます。
そこで社員の方は「あっ」と気がついたそうです。
顧客は機械が欲しかったのではく「純水」が欲しかったのです。

企業Lの「真の価値」は機械の製造販売ではなく、提供している「純水」にありました。

そこで、試行錯誤の結果、工場の敷地を借りて、
大型純水器を設置して、定額制で『純水』を提供することを行いました。

モノ売りからサービスの販売に切り替えられた瞬間でした。

これにより収益も「モノ売り」の状況よりもぐんと伸び、
顧客先にもメンテナンスの手間がはぶけて、喜ばれるという
新しい価値を生み出すことができました。

現在ではこのビジネスモデルが主軸となって、事業展開を行っています。

その後、同業の他社も同じビジネスモデルを導入しましたが、
先行者優位を今も保っています。

抽象化を行うことがポイントとなる

電球が光る

自社内では、製品そのものに価値を見出しており、
顧客が製品が提供しているサービスに価値があるというケースは意外に多く、
特に売上の大半が「モノ売り」で成り立っている場合、
「サービス化」についてそもそも考えたことがないということもしばしばのようです。

前述の事例では

「企業Lの真の価値は機械の製造販売ではなく提供している「純水」にあった」

ことを解説しました。

顧客の声がヒントになりますが、
自社サービスについて
一段、二段と抽象化をしてみることがポイントとなります

たとえば、通信系事業であれば、
企業の役割を抽象化すると「人と人をつなぐ」ことにあります。

そこから、現在の事業で行われている手段を
別のものやサービスに展開できることに思考をつなげるという考え方です。

「お客様は本当は何が欲しいのか」について考えてみることで
自社が提供できる新しい価値の形が見えてくるかもしれません。

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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