新型コロナウイルスの影響により、
除菌のニーズが一気に高まりました。
各店舗の入り口には、手指の消毒液が置かれ、
飲食店や理髪店などでも、お客さんの入れ替わりがあるたびに、
消毒がなされています。
エレベーターや公共の場においても
定期的な消毒作業が行われ、利用者の安心感につなげようと
工夫がなされています。
しかし、消毒というのは目に見えないため、
どこまで出来ているかの判断がつかないという側面がありました。
今回ご紹介する記事は、
消毒の見える化という課題に取り組んだものとなります。
積水化学工業 ウイルス除去スプレー発売、ライトで噴霧を確認
2021年10月11日 「日刊ケミカルニュース」より転載
(下記転載)
積水化学工業はこのほど、
100%子会社である積水マテリアルソリューションズが、
ウイルス除去・除菌スプレー「ナウケアプラス」(内容量420㎖、20ℓ)
を11月1日から発売すると発表した。
2017年に「ナウケア」シリーズの第1弾として
「ナウケア ウイルス除去(エンベロープ有)エアゾールスプレー」(同100㎖)
を発売し、
2018年には第2弾として、
ウイルス除去機能を最大1カ月効果持続にパワーアップし、
除菌機能も付与した「ナウケア業務用大容量AS」を発売した。
医療、介護施設、ショールーム、受験会場など様々な現場で好評を得ていたが、
噴霧された場所がわからないため、
「きちんと噴霧されているか確認できない」
「次の噴霧時期がわからない」といった声も寄せられた。
こうした中、今回、第3弾として「ナウケアプラス」を新発売する。
特長として、①独自の抗ウイルス加工剤「ウィルテイカー」を含有し、
99.9%ウイルスを除去、
②ウイルス除去機能に除菌機能をプラス、
③スプレー対象物のウイルス除去効果が最大1カ月持続、などが挙げられ、
さらに、④市販のブラックライトで照らすと噴霧場所が見える機能を追加。
着実に効率よくウイルス除去機能を利用できるようになり、
新しい生活様式に貢献する。
積水マテリアルソリューションズは、
〝セルフケア〟をコンセプトとした製品の開発を進め、
「ナウケア」シリーズとして事業展開している。
2023年度には同シリーズの売上高5億円を目指す。
注目した点
目に見えないものを見える化するというニーズは、
様々な場面にあり、
今後も製品やサービス開発の視点として重要だと考えています。
少し話はそれますが、
たとえば、「時計」は、目に見えない時間を見える化したもの、
「温度計」は目に見えない温度を見える化したものだと言えます。
これまで定性的なものを定量化することが難しかったものでも、
今後、AIやビッグデータの活用で、定量化が可能になっていくと思われます。
自社の強みと「定量化」「見える化」を組み合わせると
新しい製品やサービスにつながるかもしれません。
その一方で、時間や温度など、見える化されたものが、
人間の感覚に影響を及ぼすという現実があります。
真夏に温度計を見て40度を越えていたら、より暑く感じるようになった
というのが端的な例となります。
今後、もしかすると、
この感覚的な部分と見える化の間、
あるいは見える化によるフィードバックが与える影響のところに、
ビジネスチャンスがあるかもしれません。