サブスクリプションモデルから、自社の真の価値を考える

薬局の棚ビジネスモデル

このところ注目されているビジネスモデルに
「サブスクリプションモデル」があります。

顧客はモノを買い取るのではなく、利用する権利を買い、
利用した期間に応じて料金を支払う方式です。

定額制の音楽、動画などの配信サービスがすぐに連想されますが、
それ以外に、自動車やカメラ機材、掃除機、クリーニング、飲食店でも見られるビジネスモデルとなりました。

もともとは、コンピュータのソフトウェアの使われ方からスタートしたビジネスモデルです。

「サブスクリプションモデル」が注目されている背景には、
飲食店やクリーニング店、家具といった様々な分野で広がりを見せているためですが、
利用のためのアプリケーション開発が、身近になったことがあると考えています。

自社の製品やサービスをサブスクリプションモデルで展開したいと
考えている企業も多いのではないでしょうか。

しかし、ただ自社製品やサービスをサブスクリプションモデルで提供するだけでは、
他社と比較して競争優位性がなく、すぐに追随されてしまいます。

そこで、企業が提供している製品やサービスの本当の価値が
なにかを突き詰めて考えることが必要となります。

今回は、サブスクリプションモデルを通して、
提供している製品やサービスの真の価値について考えます。

「富山の薬売り」から考える「サブスクリプションモデル」のポイント

サブスクリプションモデルと近い概念に、
毎月サービスに課金する「月額定額制」があります。

この2つの違いは、

・「定額制」は製品やサービスに同じ金額で継続的に課金を行う。
・「サブスクリプション」は、「定額制」の仕組みに加えて、
顧客の必要としているものや顧客満足度での付加価値を主軸としている。

という点です。

「サブスクリプションモデル」の概念で、最も重要な点は、

「顧客の必要としているものや顧客満足度での付加価値を主軸としている」

ところになりますが、このポイントについて詳しくお話しします。

「サブスクリプション」で顧客価値の観点から、参考になるビジネスモデルが、
「富山の薬売り」方式です。

富山の薬売りは、「先用後利」を基本理念として、
「配置販売」という独特の仕組みで、
顧客のところにあらかじめ医薬品セットを預けておき、
一定期間ごとに顧客のところを訪問して、使用分の代金を受け取り、
新しい医薬品を補充するものです。

では「富山の薬売り」の顧客価値はどういった点か考えてみましょう。

基本理念として、「先用後利」が挙げられますが、
併せて重要なのが「子ども用玩具」と「土産話」の存在です。

かつて「富山の薬売り」は、訪問家庭の子どもに、
紙風船や風車といったおもちゃをお土産に持っていっていました。
「富山の薬売り」の営業担当者が家庭に来ることを、
楽しみにしていた(=顧客価値)。
「販促ツール」が補足する価値を担っていたということです。

また、「富山の薬売り」の営業担当者は、各地を巡るため、
別の地方での話題を提供することも、大きな価値でした。
遠い地方の情報がなかなか届かなかった時代に、
こうした情報が得られる機会は貴重でした。

ここから、「販促ツール」と「情報伝達」が
「富山の薬売り」を支える大きな付加価値だったことが分かります。

ただ単純にものを売るだけではなく、
顧客に同時に提供できる価値が他にないか、単純に「お得だ」という金銭面以外で
提供できる価値を考える必要があるということです。

そうして見えてきた価値は、他社との競争優位性の原点となります。
自社が提供している真の価値とは何かを深く掘り下げていくことで、
見えてくるものに注目することが必要です。

まとめ

「サブスクリプションモデル」は、
自社の製品やサービスを「定額制」で展開することと捉えがちですが、
顧客が何を必要としているかを考えて、
サービス化することを考えなくてはいけません。

自社が提供している本当の価値とは何でしょうか。
企業としての「真の価値」についても、この機会に改めて
考えてみることをお勧めします。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

補足

企業価値について、純水装置の事例を下記で紹介していますので、
是非、ご参考ください。

「モノ売り」から「サービス化」の視点で「自社の真の価値」を知る
新規事業を検討したり、事業計画を見直す場合などで 自社の強みについて、再認識することは非常に重要です。 自社の強みについては、もちろん自社の社員の方が最もよく理解しているかと思いますが、 一方で、社内から見た場合と社外から見た場合で、...

 

参考になる書籍の紹介

下記の『サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル』
はサブスクリプションのビジネスのシステム的なサポートをしている
ズオラという会社の創業者が執筆したものです。

サブスクリプションというビジネスモデルの
本質が捉えられており、
単なる従量課金ではなく、顧客のニーズをいかに
捉えていくかの重要性が語られています。

本書では、小売、メディア、モビリティといった
様々な業界におけるサブスクリプションモデルが紹介されています。

また後半では、営業やファイナンス、組織人事といった
企業経営の立場から、サブスクリプションを成功させる方法が
記載されており参考となります。

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