トルコで起きたインフレが市民生活を直撃。日本でもインフレ傾向が加速中

経済動向

現在、トルコで、中央銀行の政策が
「リラ安」を招いたことにより、
インフレが起きていることを以前の記事で紹介しました。

トルコで起きているハイパーインフレ。ワイン価格は1日で15%、鶏肉,チーズは10%上昇
トルコでは、エルドアン大統領が 金融政策として「利下げ」を行いました。 「利下げ」というのは、 中央銀行が貸し出すお金の金利を引き下げるということです。 金利が下がれば、企業側は資金調達がしやすくなります。 そのため、世の中にお金が流れやす...

この「リラ安」→インフレが急激に加速しており、
市民生活にも大きな影響が出ています。

日本では、このところ物価が上昇しているものの、
長年デフレが続いたこともあり、
「インフレが起こるとどのようなことになるのか」の
イメージがつきにくい状況にあります。

今後、日本で大幅はインフレが起きるかは
まだ見えてきていませんが、
トルコの事例は、
インフレが起きるとどうなるかを明らかにしてくれます。

朝日新聞の記事では、
下記のようにあります。

「トルコ中銀は大統領の圧力を受けて9月以降、
 政策金利を19%から15%に引き下げた。

 その後リラは11月だけで対ドルで30%ほども下落し、
 11月の消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率は
 21.3%に跳ね上がった。

 市当局によると、イスタンブールの生計費は
 この1年間で50%急騰。家賃は71%上がり、
 生活必需品の多くは75~138%値上がりした。」

配信終了のお知らせ - 総合ガイド
「朝日新聞デジタル」に関する新着情報のページです。

数字だけですと、実感がしにくいのですが、
日本では「オイルショック」による「狂乱物価」と
言われた時代の消費者物価指数が、
1973年で11.7%、1974年で23.2%上昇しています。

トルコで起きている
前年比上昇率は21.3%というのは、
もはやハイパーインフレと言っても良い状況となっています。

トルコのリアルを知るということで、
下記の記事が参考になります。

「ごまパンの値段がパンデミック前から3倍」のインフレ大国トルコで考えた資産の価値|月が綺麗ですね 綾の倫敦日記|鈴木綾
先週行ったトルコにて 高度成長期の日本はインフレがすごかったそうだけど、私が20代を過ごした日本にはインフレなんてなかった。商品の値上げがあるとそれがニュースになるほど、物価は変わらないものだった。だから私はインフレをよく知らない。「うちのコーヒーの値段は30年変わってない。昭和時代から700円です」と自慢していた喫茶...

たとえば、イスタンブールでは、
路上屋台の名物の「シンミット」(ごまのかかったパン)の
値段がコロナ禍の前と比べて3倍以上となっているそうです。

日本で例えるなら、
コンビニの100円おにぎりが
300円くらいになる状況と言えそうです。

物価の上昇が、一日単位で起こるため、
レストランでは、メニューが水性ペンで書かれているとのこと。

電気代の価格も急に上がり、
電気代を払えないという過程も急増。
そのため、
「お金の余裕がある方が、困窮家庭の電気代を
 代わりに支払うアプリ」まで
登場したというくらい大変な様子です。

また、IT系のエンジニアを募集することが
極めて難しくなっているとのこと。

海外のIT企業(Googleやメタなど)は、
給料をドル建てで支払うため、
リラ建ての給料支払条件では厳しいという話でした。

こうなりますと、
資産としてのリラは意味がなくなり、
外貨や仮想通貨に流れていくという現象が起き、
さらにリラ安につながるという悪循環にもなっているようです。

貨幣には3つの機能
(価値尺度、交換・流通手段、価値貯蔵手段)があるわけですが、
ハイパーインフレでは、
価値尺度と価値貯蔵手段の2つが急速に失われていく
ことが見えてきます。
もちろん最後には交換・流通手段としても機能しにくくなる
わけですが。

ところで、現在、日銀では
金融引き締めを行う様子はありません。

下記は9月2日段階の記事からの抜粋となります。

「日本銀行の若田部昌澄副総裁は1日、
 米国の金融引き締めを理由に日銀は
 金融政策の調整を行わないとの見解を示した。」

「若田部氏は、仮に米国の物価上昇率が
 目標の2%を超えて平均インフレ率目標も実現され、
 「金融引き締め局面に入ったとしても、
 それを理由として日本銀行が金融政策を
 調整することはない」と主張した。
 日銀の目標は「あくまで2%の物価安定の
 目標を安定的に達成することだ」と語った。」

米国が金融引き締めても日銀は金融政策調整せず
日本銀行の若田部昌澄副総裁は1日、米国の金融引き締めを理由に日銀は金融政策の調整を行わないとの見解を示した。オンライン形式で行われた広島県金融経済懇談会で講演した。若田部氏は、仮に米国の物価上昇率が目…

米国の金融引き締めというのは、
テーパリングのことかと思われ、これは
「少しずつ市場に出回るドルの量を少なくしていく」ことを
意味します。

ドルは市場に供給することを辞め、
一方日本円は刷ることを継続していく。
日銀がタイミング良く方向性を変えることができれば、
好循環が生まれそうにも思います。

しかし、そううまくいかない可能性のほうが
高いようにも思います。

いずれにしても、日本でもインフレの傾向は
年明けから明確になりそうです。

今から、その場合どうするか
ということをシミュレーションするのは
良いかもしれません。

電気代の話が出ていますが、
ソーラーパネルとバッテリーは、
備えとして持っておくと良いかと思っています。

下記は、価格帯の安いものですが、
初めて試すには、十分かと思います。ご参考までに。

タイトルとURLをコピーしました