新型コロナウイルスの問題が、社会的、経済的に大きな影響を与えています。
特に現在、心配されているのは
医療機関で勤務されている方々の状態です。
医療従事者の方のブログなどを拝見すると、
現場では今も大変な苦労のなかで対応をしている様子が生々しく伝わってきます。
ご自身も感染の危険があるなかで、治療に当たり、
重篤な患者様がお亡くなりになる場合も出てきています。
そうした状況に対応されている医療従事者方々の
ご苦労、ストレス状況は察してあまりあるところです。
現在は非常事態であるため、
現場の医療従事者の方は、「責任感」から過酷な状況に
耐えておられ、頭の下がる思いでいっぱいです。
そうしたなかで、すでに言われているのが、
非常事態が、ある程度終息した段階で、医療現場で起こることについてです。
医療従事者の方の、バーンアウト(燃え尽き症候群)と
PTSD(心理的外傷)が深刻となり、
医療の現場から、多くの方が離れるのではないかと言われています。
このような懸念に対して、
我々は何かができないか、考えてみたいと思います。
医療従事者の方の現状
現在、医療従事者の方は、
・人手不足による長時間労働
・「人の死」がより身近になったことの大きなストレス
という3つの大きな問題に直面しています。
この状況のなかで、業務を続けておられる
関係者の方々に改めて、頭の下がるおもいです。
医療関係者の方のブログを拝見しますと、
患者様への対応のために、自宅に帰宅する時間がとれず、
自家用車のなかで寝泊まりをしているということが
現実に起きてるようです。
なかでも、私自身が大きな衝撃を受けた話として、
「同僚の看護師が駐車場の隅で泣いていた」というエピソードです。
病院のなかで起こるやりきれない出来事に対して、
勤務前なかの、あるいはお帰りの際なのか、
思わず涙が流れてしまったのでしょう。
医療従事者の方は、日ごろから大きなストレスにさらされているといわれていますが、
今回のできごとは、そうした高ストレスをさらに
越えていた状況が続いていることが理解できます。
冒頭でもお伝えしたように、
現在は、緊急事態のため、辛抱しておられる方も多いのですが、
事態がある程度終息した後に、
多くの方が、医療業務から離れられることが予想されています。
バーンアウトが起こり、
何もする気が起きないという方も出てくることが予想され、
(すでに現場ではそうした方が出てきておられるようです)
また、患者様を救えなかった場面が、日常でもフラッシュバックしてしまうような
PTSDの症状も今後増えてくると予測されます。
さらに考えられることは、
医療系を目指していた方が、現状を目の当たりにし、
別の業界へ転向していくことも考えられます。
(もちろん、この状況から、医療系を志す方もおられると思いますが、
総合的には志望者は減っていくと考えられます)
それは、医療業界の人手不足をさらに加速させることにほかなりません。
この状況下で、企業、個人ができることはなにか
こうした状況のなかで、医療系以外の企業の方や
ビジネスパーソンは何ができるでしょうか。
各企業ごとに強みがありますので、
その強みを発揮できる領域で、自社で何ができるのかを考えていく必要があります。
たとえば、すでに素材系、衣料品の企業では、
防護服やマスクなどの増産体制を整え、
こうした製品の十分な供給を可能にしています。
また、直接的な対応ではありませんが、
トヨタやヤマハは、コロナウイルスの対策に関係するものに対して
知財権を主張しないと表明しています。
そうした協力の仕方もあるのだと改めて大企業の力を感じました。
個人のビジネスパーソンとしては何ができるでしょうか。
ご自身の強みをこの機会にもう一度見直したときに、
できることが見えてくるかもしれません。
私自身は現在、製造業を中心とした企業のビジネスパーソンの方々とともに、
定期的にオンラインの会合
「ポストコロナの質的環境変化を話す会」を行い意見交換を行っています。
もし、こうした会合にご関心がある方は、本ページ最下段の会合案内をご参考ください。
まとめ
コロナウイルスの問題について、
医療関係者の方の現状と、今後の懸念、
そして、それに対して企業やビジネスパーソンとして
何ができるか、今後の考え続けていく必要があります。
このブログをご覧の方は、企業の新規事業やイノベーションのご担当の方が
多いと思います。
大きな困難が生じた状況下においては、
新しい価値の創出がこれまで以上に必要となります。
長期的にも社会変化が大きい時代の節目に差し掛かっていると捉えられますので、
変化への対応を、目の前の課題への対応から考えてみることも
必要となるのではないでしょうか。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
補足
企業の強みの再発見については
ご自身の強みの再発見については、下記の記事がご参考いただけると思います。
現在、VUCAの時代と言われており、
既存の価値観やビジネスモデルなどが通用しずらくなり、
社会状況や将来の動向を読むことが難しい時代となっています。
特に、コロナ禍による影響で、
テレワークやオンライン会議などIT活用が進み、
企業の働き方、業務の進め方、企業課題などに
大きな変化が生じています。
たとえば、これまでであれば、
顧客企業に訪問することで、課題を汲み取り、
新しい価値提供ができていました。
これが難しくなっています。
また、オンライン下では、リアルとは異なる
コミュニケーションが必要となっています。
人材育成や技術伝承をどのように進めていくべきか
考えていく必要がでてきました。
企業は時代変化に対して、
新しい取り組みや工夫、仕組みを導入
といった対応を行わなくてはならなくなってきています。
しかし、どのような対応を行うべきかは、
情報収集を行ったり、専門家に相談しても
自社に適した道筋は見えてこないというのが現状です。
こうした場合においては、
他社の方がどのように考え、取り組みを行っているか
他業界も含め、広いテーマで知っていくことが
大きなヒントとなります。
他社、他業界の方の意見を聞くことで、
自社では思いつかなかったような対応のヒントとなったり、
ご自身の取り組みとは異なるテーマが、
新しい切り口となって、状況打開につながる可能性があります。
このようなことが可能となる「場」の
ご要望を多数いただき、
現在、価値共創研究会において
毎週金曜日20:00~22:00において
「ポストコロナの質的環境変化を話す会」を
2020年4月からスタートしました。
※参加費は無料となります。
ご関心がある方は、下記お問い合わせから
「ポストコロナの質的環境変化を話す会」参加希望お書きいただき、
・「お名前」
・「会社名、ご所属」
・「アドレス」
・「電話番号」
・「ご住所」をお知らせいただき、お申し込みください。