(20)『日本の健康産業の第一人者』田中恒豊さんが語る 人生の成功法則:まず一歩を踏み出すことが成功への近道

『日本の健康産業の第一人者』が語る 人生の成功法則

本記事は
日本の健康産業の第一人者である
田中恒豊(たなかつねとよ)さん(故人)への
2014年頃からの長期インタビュー(インタビュー当時80歳代)
を書き起こしたものです。

田中さんは、戦後の大きな時代変化のなかで、
日本で初めてのフィットネスクラブを設立された方で
「日本の健康産業の第一人者」として知られています。

今回はトレーニングマシーンの販売ビジネスを
手掛ける中での気付きについて語られています。

時代背景などもお含みのうえ、お読みいただければ幸いです。

現在、大きな変化の時代を迎えていますが、
時代が動くときに、どのような判断を行うべきかといった
考察の参考になると考え、
ご関係者の方のご了解を得まして、記事を掲載いたしております。

毎週土曜日に更新の予定です。

マッサージ機「ターナーベルト」の開発

お客様の大部分は、
一度、健康クラブに来られると継続して通ってくださるようになりました。

そして、そのうちに
「あの機械を購入したい」と注文をいただくようになりました。

「これは」と思う機械を使って
自宅で運動をしたいと思われたようでした。

パラマウント社の運動器具やルイスウオーカーの
注文もいただきましたが、
最も売れたのがベルト型のマッサージ機でした。

これはベルト部分に腰を通して、
機械の振動で血行を良くするもので、
日頃の疲れをほぐしたり、
運動の後のクールダウンに使ったりするのに適していました。

しかし、このマッサージ機はそれなりに効果はあるのですが
「大味」なのです。

アメリカ人と日本人の体格の差が原因だったのでしょう。

もう少し工夫の余地があると思い、
他の会社の類似の製品も探しましたが適当なものがありません。

しかも、マッサージ機は分厚い鉄板でできていて、
一人では移動させられないほど重いものでした。

畳の上に置くとその重量で畳がぼろぼろになったり、
へこんでしまったりしたので、
軽量化できれば良いと思っていたのです。

それならば自分で製造、開発、注文をしようと
工場と相談をしながら作り上げたのが
「ターナーベルト」というマッサージ機です。

日本人の体型に合うようにということと、
振動の伝わり方が柔らかく、
なるべく腰の筋肉を細かく動かすように改善を重ねて、
五号機まで作った時、ようやく納得のいく製品ができあがりました。

材料に苦心をしましたが軽量化にも成功しました。

話は少し先のことになりますが、
完成型の「ターナーベルト」は
昭和46年(1971年)に、
大手新聞社が選ぶ「日本のヒット商品」第一位に選ばれました。

前年に「ターナーベルトー♪」
というCMが全国に流れましたので、
ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

「ぶら下がり健康機」、「スタイニー」
とともに3大健康器具などと呼ばれたこともありました。

一時はブームとなり品切れになることもあったのです。

トレーニングマシーンをデパートで販売する

健康クラブを経営する傍ら、運動器具の販売を行っていると、
お客様のひとりが「運動器具を広く売ってはどうか」
とおっしゃいました。

健康クラブのなかだけで、
トレーニングマシーンを販売するよりも、
どこか多くの人が来るようなところで大々的に売ってはどうか
ということでした。

アメリカでは先に述べたようにシアーズというデパートで
健康器具が売られていましたので
「なるほどその通りだ」と思いました。

早速にどこで売るのが良いか検討をしていたところ、
デパートの三越の商品仕入れ担当のバイヤーさんと出会いました。

相談をしたところ
「このトレーニング・マシーンは三越でなくては売れない」
と言うのです。

どうしてか尋ねると
「ふたつの理由からです。
ひとつ目は、収入が高い世帯でなくては買えない商品だということ。
ふたつ目は健康に興味を持つのは比較的、
上の年齢層が想定されるであろうことです。
そんな客層を持つのは三越のほかにありません」ということでした。

こうして日本橋の三越本店で健康器具を売れることとなりました。

「家電製品売場か、スポーツ用品売場のどちらで置きましょうか」
と聞かれたので「スポーツ用品売場でお願いします」と答えました。

あくまで人の健康に寄与したいと考えていたので、
生活を便利にする家電製品売場では趣旨が違うと思ったからでした。

知られていない商品を売るためのちょっとした工夫

店頭にトレーニング・マシーンを並べ初めてから、
たまたますぐに一件の注文が入りました。

「売約済み」の札を付けたところ
「これは何か?」と店頭を通りかかった何人かから尋ねられました。

日本ではトレーニングマシーンになじみのない人が大勢いたのです。

この様子を見ていて「なるほど」と思い、
店頭にただ並べるだけではなく、売る工夫をしてみようと考えました。

どうしたかというと、
ほとんど全てのトレーニング・マシーンに
「売約済み」と札を張り付けました。

人は不思議なもので「売り切れ」となると、
この商品は何なのか知りたくなり、
知れば知ったで欲しくなるようで、注文が次々に入りました。

その様子を見て、三越側も気を良くし、
本店だけでなく、池袋・新宿・大阪・神戸・札幌と
全店に商品を置いてくれるようになりました。

そして全国各地で健康器具が売れるようになったのでした。

日本という国がだんだんと豊かになり、
日々の生活の心配から、レジャーや健康について考える余裕が
出てきたのです。

まず一歩踏み出すことの大切さ

私は改めて自分の道が「健康」をキーワードに
日本を良くしていくことであると思い至ったのでした。

30歳を過ぎて自分の道を見つけたのです。

このところ若い人から
「自分の人生の道はどのように見つければいいですか?」
と質問をされることがあります。

最初から「自分はこの道で生きていこう」
と決めてそれで成功される人もいると思いますが、
私のように、色々と試してみて、
そのなかから道が見つかる場合もあると思います。

大切なことはまず一歩踏み出してみるということです。

最近の若い方は特に頭のなかだけで考えることが多く、
しかもその先の道が成功すると確信がもてないと
一歩を踏み出すことができないように感じます。

頭で考えることも大切ですが、
その上で一歩踏み出してみると、
考えていた世界とはまた違った景色が見え、
そこからさらに進むことができるのです。

どんな小さなことでも良いのです。

是非一歩前に、行動に移してみてはいかがでしょうか。

(次回へ続く)

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