外部のセミナー、勉強会を活用する際のポイント:二種類に分けて考え、事例を取り込む

若い芽が伸びていく様子人材育成

多くの企業で外部の勉強会やセミナーに、社員を派遣したり、
あるいはオンラインで受講してもらっていることかと思います。

しかし、思ったほどの効果が出なかったり、
どのようなセミナーを受講すればよいのか、
当事者あるいは派遣元(研修部門)として迷ってしまう場面も少なくないようです。

今回はセミナー、勉強会などを利用する際のポイントについて、
解説していきます。

コロナウイルスの影響により、オンラインのセミナーが行われていますが、
オフライン会合(リアル会合)と比べると研修効果が低いという事実があります。
後に紹介する「事例系」の場合は、
講師が一方的に話すのではなく、双方向的なやり取りがあるような運営面での工夫
(たとえば、チャットでの質問受付や、終了後の情報交換会)があるか否かも
参加を判断する際の1つの基準に入れていくのが良いかと考えています。

「スキル系」と「事例系」に分けて考える

まず、セミナーや勉強会について、
「(1)スキル系」と「(2)事例系」の2種類に分けて考えることが必要です。

(1)「スキル系」 はスキル、ノウハウなど習得できるものが明確なものを指します。

たとえば、法改正について解説・対応、財務会計や管理会計の基礎的な知識の習得、
WordやEXCELなどの使い方といったスキルやノウハウの習得が目的の場合は、
スキル系と定義ができ、セミナーに参加することで目的のスキルが短期間で習得が可能です。

参加の判断基準については、
受講したいと考えている講師の方のお名前で検索をかけ、
すでに参加者した方からの評価を参考にするというのが有効です。

また、同じテーマで、別のセミナー会社が開催している場合があります。
講師が同じであれば、タイトルが多少変わっていても、
内容に大きな違いがでることはほぼありません。

そのため、ご自身や派遣する方の受講条件(料金、オンラインかどうかなど)に
合ったセミナーを選べば良いということになります。

研修を開催するお立場の方の場合は、講師のHPから直接アプローチして
社内研修として講演をしてもらえないか相談することも検討しても良いかと思います。

セミナー会社に、社内研修の設定を相談すると、
直接アプローチする場合と比べて、1.5倍~2倍の金額となります。

(講師側の手取り額は変わりません。セミナー会社が中抜する構造です)

社内で10名以上の参加者が見込める場合は、少し手間ですが、
直接講師に相談してみても良いでしょう。

仮に一人2万円のセミナーとすると、10名参加すれば20万となります。
自社内で講師を招聘した場合10~15万程度となり、参加者も30名程度までは
混乱なく開催できる形となります。

(2)事例系は、企業の担当者の方が、自社で行った事例を解説したり、
コンサルタントがケーススタディを解説することが中心のものを指します。

施策についての事例解説が中心のセミナーの場合、
求めているテーマとうまく合致すれば、非常に大きな成果につながります。

事例系はネットや書籍で情報として出ない(出せない)部分が語られることも多く、
特に企業担当者の方が事例を話をされる場合は、
すでに先行事例の成功あるいは失敗を踏まえて、自社での応用に展開できるため、
テーマによっては企業課題を一気に解決するようなヒントにつながる場合もあります。

ここで大きなポイントとなるのは
事例講演の場合、特定の施策について事例が解説されていたとしても
そのまま自社や自分の課題の解決方法として使えることはまずないという点を
理解しておくということです。

そのうえで聞き方の工夫として、講演内容を抽象化し、概念化して
自社あるはご自身であれば、どのようにカスタマイズすれば
役に立つかを考えることで、課題解決に資する情報となります。

事例は、異業種、異分野であっても
(異業種、異分野だからこそ飛んだ発想ができる部分もあります)

抽象化、概念化がうまくできれば、長期的には自社あるいはご自身に
必ず役に立ちます。

スキル系は風邪薬、事例系は予防薬

企業が抱えている課題を「風邪」にたとえて、
セミナーや勉強会を考えてみます。

スキル系は「風邪薬」。「風邪=課題」に対して「風邪薬=解決策
という関係になります。

一方、事例系は「うがい薬などの予防薬、自己免疫療法」。
まだひいていない「風邪」に対して、準備をする、
あるいは直接的に風邪のウイルスに対抗するのではなくて、
自己の免疫力を高めて治療をするようなイメージです。

どちらも一長一短ありますので、求めているテーマによって、
どちらを選択するかご判断いただくのが良いかと思います。

他社の施策を導入する場合はカスタマイズが必要となる

事例系で解説された他社の施策を自社で取り入れる際には、
カスタマイズが必要となります。

たとえば、一時期、「成果主義」が流行りました。
導入の成功例として、いくつかの会社が事例を発表し、
コンサルタントもそれに追随して、導入を勧めてきました。

この時の企業対応は3つに分かれました。

(1)「成果主義」を事例と同じ形(システム)で導入する
(2)自社の風土には合わないため導入を見送る
(3)自社の風土に合わせて、制度をカスタマイズして運用する

失敗した多くのケースでは(1)「成果主義」を事例と同じ形(システム)で導入する
を選んでいます。

他の会社が導入している、あるいはそうした潮流があるので、
自社でも導入しようと安易に考えてしまうと、結果的に社内に大きな混乱が生じて、
サービス品質の低下、人材流出を招き、大きな損出を招いてしまいます。

一方で、(2)、「3」の場合は、自社の状況を踏まえて決定していることが
大きなポイントとなります。

「成果主義」は導入に成功して、現在でもうまく機能している企業がいくつかあります。
導入に成功した企業は、社内でプロジェクトを組んで、
「もし自社で導入するとしたら、どんな制度にすべきか」を徹底的に議論していました。

経営施策には流行り廃りがあり、
流行っているものは、「その段階」では成功している事例が多数発表され、
「自社もこの流れに乗らなければ」と思いがちです。

しかし、それらも本当の自社に合っているのか、
導入するにしても、しないにしても、
自社の置かれている状況、環境を勘案して、カスタマイズも含めて検討して
取り組む必要があります。

まとめ

外部の勉強会の使い方について述べてきましたが、
特に新規事業やイノベーションの観点からは、
他社の事例がヒントとなる場合が多いと考えます。

事例系では、すぐに自社の課題の解決策に結びつかないケースが多くあり、
数年後に、別の課題の解決のヒントとして役立ったという場合も出てきます。

事例セミナーを練習と捉え、自社の取り組みに
活用するためのケーススタディと考えて、思考実験を行うというのも
自社あるいはご自身の力になっていきます。

こうした事例は、自社から遠い業界や業種であっても
抽象化、概念化することで、新しい価値につながります。

イノベーションは新結合と理解することができます。
自社の強みと新しい何かを組み合わせることで、
新しい価値創出につなげる取り組みですが、
組み合わせの片方として、他社事例を活用することは
大きなメリットにつながると考えています。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

補足

異業種からの意見を新製品に生かした事例については下記でご紹介しています。

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