「Google検索は死んでいる」という指摘
という記事が2022年02月17日「GIGAZINE」で掲載されました。
本記事の趣旨は次のようなものとなります。
現在Google検索は、
検索したフレーズと関連性が高く質の高いページが
表示されることが望ましいにもかかわらず、
それができていない状況となりつつあるという指摘です。
その理由は下記3つ。
①「広告」の存在
検索結果をお金で買う広告によって、
本来表示されるべきであるページが上位に表示されなくなっています。
②「SEO対策」の問題
SEOによって「Googleで上位に食い込むこと」を業務としている多数のマーケターが、
「傾向と対策」を進めることで、検索結果の品質が悪化しています。
③GoogleのAIがうまく機能していない可能性
AIが入力した内容に対して望ましい結果を出さないことが増えており、
ユーザーのデータのパーソナライズが機能していない可能性が指摘されています。
①~③の理由により、たとえば、完全一致の検索演算子(” “)でさえ、
完全一致した検索結果を出さない状況となっているようです。
これに対して、本記事で推奨している検索方法は、
Googleで「検索ワード+reddit」というフレーズを使って検索する
という方法です。
Redditは、2022年2月時点で最も人気のある検索エンジンは
ソーシャル掲示板サイトのRedditとなっていますが、
Redditの検索エンジンそのものはまだ完成度が低いため、
Googleと組み合わせることでの利用を推奨しています。
ちなみに、Redditは、
最近ではロビンフッダーと呼ばれる米国個人投資家達が
Redditの掲示板「WallStreetBets」内で結託し、
空売りを仕掛けていた大手ヘッジファンドを倒産間際まで追い込んだ
GameStop事件で知られています。
Googleが検索エンジンとして終焉を迎えているの事例について、
極めて興味深いものではないでしょうか。
記事にもあるのですが、
かつて、Google自身も「検索結果をお金で買うことへ批判」していました。
Googleの共同創始者であるセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジも
1998年時点に「現在の商業用検索エンジンは
広告が主要なビジネスモデルになっていますが、
広告ビジネスモデルの目標はユーザーに質の高い検索を
提供することと必ずしも一致しません」
と発言していることが取り上げられています。
ここから、次のことが分かります。
①本来のGoogleの強みは質の高い検索を提供すること
と認識されていた。
②広告が主要なビジネスモデルとなることが、
質の高い検索を提供する強みを毀損することが認識されていた。
③しかし、現状では、こうした認識があったにも関わらず、
広告のビジネスモデルを採用し、
自社の強みを弱くしてしまっている。
Googleの経営陣もこうした点何度も議論をしていると思いますが、
合理的な判断が、現状の検索エンジンとしての弱体化を招いていたと推測しています。
広告のビジネスモデル以外を採用することについても、
議論をされたと推測しますが、
たとえば、Wikipediaのような寄付によるビジネスモデルでは
収益面で厳しく、優れたエンジニア雇用し、
なんらかの仕組みとして、広告モデルを、検索エンジンを毀損しない形で、
進める可能性を現在も模索している?
あるいは、検索エンジンの領域では、他のビジネスモデルを組み入れることが
難しいという結論に達し
そのため、下記のような多角化戦略での収益化を図っている? のでしょうか。
アメリカ企業で「GAFAM」が注目されてきましたが、
「F]ことメタが先日大きく株価を下落させ、
また、上記のようなことから
「G」ことGoogleの今後も明るくないのかもしれません。
日本企業は、公の意識があり、クオリティの高い検索エンジンを
提供する事業の担う立場として相応しいように思うというと、言い過ぎでしょうか。
少なくとも、現状、検索エンジンについては、
社会課題がありそうです。
社会課題は、新規事業やイノベーションの種となりますので、
直接的ではなくても、自社でなにができるか、
ブレストをしてみるのも良いかもしれません。