新型コロナウイルスの問題から、新規事業、イノベーション創出を考える

手を繋ぐポストコロナ

新型コロナウイルスが、
世界規模で大きな問題となっています。

企業が現状の維持もしくは大きなマイナスの影響を受けているときに
新規事業やイノベーションへチャレンジするということは
考えにくいかもしれません。

しかし、現在のいくつもの困難(課題)が見えてきている状況ですので、
今、自社として何ができるかを、多くの企業の方がお考えだと思います。

目の前の課題に対する対応が、
結果的に、新しい価値へとつながり、
新規事業やイノベーションと結果的に評価をされると考えています。

今回の記事も公開するか悩んだところではあるのですが、
企業、あるいは個人の方が、何かしたいと考えたときに
後押しできるのではないかと公開いたしました次第です。

新興国のベンチャー企業の意識

2016年に大手製造業の新規事業担当の方30名ほどとディスカッションを
行うなかで、面白い話の展開がありました。

「新規事業の創出」が大きなテーマでしたが、
その際に「新興国と日本における新規事業創出の意識の違い」が
話題としてあがったのです。

中国や東南アジア以外に、アフリカ諸国でも
新しい価値を創出するベンチャー企業が生まれていること。

そして、たとえば、中国でのキャッシュレス化の動きは
アリババが主導する「アリペイ」は、
日本を飛び越して展開していくだろうということでした。
(中国のキャッシュレス化がその後、世界一となったことは言うまでもありません)

こうした新興国のベンチャー企業と交渉のある企業の担当者の方は、
日本企業の新規事業担当者とは異なる
新興国ベンチャーの担当者の意識を垣間見たことがあると言っていました。

新興国のベンチャー企業の創業者の多くは、
どこかの企業の就職するというよりも、
仕事を作らなくてはいけない状況にあること。

また、社会インフラが整っておらず、
「不便さ」がデフォルトとなっているため、
それを何とかしたい、それが自分の役割だと強く思っているということでした。

目の前の課題を解決したいという強い思いと
ハングリー精神が言葉の端々に感じられ、
その大手企業の担当者の方は、「正直なところ脱帽した」と感想を述べていました。

日本企業の多くの方の意識

その一方で、日本企業で新規事業を担当した場合、
ある程度のインフラ整備もあり、資金もあるなかで
新しい価値の創出を目指しています。

このディスカッションの際に印象的であったのが、
「社会的な痛みが、日本には意識としてあまりない」という参加者の言葉でした。

多くの日本人が、日々の生活に不満はあるものの、
そこそこ満たされている状況なのです。

満たされているなかで「世の中を変える価値を生み出す」
というのは、なかなか難しいことなのかもしれないと
その時に感じたことがありました。

企業としては経営戦略として
「社員の危機意識の醸成」を行うことがあります。
安定している企業でも、将来的な危機に備えることを、トップが表明し、
そうした意識を社員全体で共有するという施策です。

そして、社員の危機意識をてこにして、
風土改革や新しい領域への進出といったことを行うのです。

たとえば、トヨタなどは、本社の中堅社員が、
10年後に会社が存在しているのかについて、強烈な危機意識を持っています。
自動車がなくなるかもしれない(現業では企業を維持することが難しい)
という意識が、新しい事業への展開を後押しする流れを作っているのです。

トヨタやNTTと協力して、「スマートシティ」への取り組みを
強化しています。それもこうした危機意識の現れといえるでしょう。

現在は、日本(世界)が大きな社会的痛みを感じている

ところで、現在、日本(世界全体が)は
「大きな社会的な痛み」を感じていると言えます。

コロナウイルスという問題に付随して、
ざっと思いつくだけでも、下記のような課題が上がっています。

・移動の制限
・集団で集まることの制限
・物流の問題
・飲食店の運営
・イベント関連の開催中止
・石油価格の暴落
・広告の中止
・就職活動の中止
・企業研修の中止
・中国のシャットダウンによる供給停止問題

こうした課題の一つひとつに対して、
企業として、何を課題、気づきとして受け止め、
自社の強みを生かすことで、何らかの解決につなげることは
できないでしょうか。

直接的な解決策ではなく、間接的な解決につながることは
何でしょうか。

トヨタはいち早く、3Dプリンターを使ったフェイスガードや、
マスクの製造に取りかかっています。
自社の強みを生かして、目の前の課題に取り組むことが求められています。

まとめ

今回のコロナウイルスの問題は、
経済にも大きな打撃を与えていますが、
全体的な打撃ということよりも、
産業のあり方のシフトを促す流れだと捉えています。

多くの企業にとっても
「これまでの日々を取り戻そう」ということよりも
「新しい状況は今後も続き、それにどう対応するか」が
本質的な課題となってくると考えています。

新規事業やイノベーションにこれまで携わってきた方は、
自社の強みを生かして、新しい価値を生み出すことを常々考えてこられたことだと思います。

そうしたこれまでの経験が、
今回の状況変化に対して、極めて大きな力を発揮できると考えます。

是非、皆さんが今何ができるか、
今後もこうした状況が常態化する可能性を頭の片隅に入れながら、
お取組みいただければと思います。

予言めいているようなことになりますが、
今回のコロナウイルスの問題から、
車の自動運転や自動物流サービスの整備が一足飛びに進むかもしれません。

今後の動きにもよりますが、
国内での農業に力を入れる動きも出てくると考えています。

(これまでの農業のイメージではなくAI、IoTをフル活用した農業です。
既存の企業ではなく、新規参入した企業がこの分野で大きな力を発揮すると考えます)

こうした世の中の変化に企業が対応するためには、
現段階で目の前にある「社会の痛み」に取り組んでいくことが必要だと考えます。

皆さんの力で、是非とも今できることに対応し、
さらに先の未来を作り上げる活動へとつなげていただくことを願ってやみません。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

補足

コロナウイルスの影響が自社事業に、どの程度影響があるのかについて、
下記の記事がご参考いただけるかと思いますので、是非、ご一読ください。

404 NOT FOUND | あなたのためのイノベーション

また、何が起きるかについて、「意識変化」の観点から下記の記事もご参考ください。

ポストコロナのイノベーションヒント:「場所」への意識変化が業態変化につながる
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