今回の新型コロナウイルスの経済への影響は、
リーマンショック以上のものとなりました。
リーマンショックなどの折でも見られた現象ですが、
自社の売上が減少していくと、
新規事業やイノベーションにつながる
研究開発予算が削減されることがあります。
しかし、研究開発予算は、いわば「未来への投資」とも言える活動で、
知識と研究成果については、積み上げていくものですから、
急に減らすといったことはリスクにつながります。
研究開発費と売上高の相関関係については、
ゆるやかながら相関関係があるという見方があります。
今回の結論としては、研究開発費率で考え、
外的環境に変化が起きても、長期的に平準化をしていくことが重要という主張になります。
次の章から詳しく見ていきましょう。
研究開発費率を改めて考える
多くの企業では、売上高研究開発費率を計上されていることと思います。
売上高研究開発費率は、
分母に売上高、分子に分子に研究開発費で計算します。
この割合は、業種によって平均値が異なりますが、
自社の状況が他社と比べて、研究開発費が使われているかどうかの目安になります。
事業活動が弱含みとなった場合に、研究開発費をどう考えるか
自社の事業活動が弱含みとなると
削減の対象となるケースが少なくありません。
上場企業においては、株主からの反応も気になるところかと思います。
研究開発費へ予算を投じることについて、
近年、株主は短期的な利益を求めることから、否定的な反応をしています。
「売上につながる結果がでない研究開発は行っても意味がない」と
厳しい意見が出されることもあるようです。
しかし、継続性の観点から、急に大きく研究開発予算を削減することは
リスクが大きいため、
研究開発費率の割合を、長期的に固める形で進めていく必要があると考えます。
たとえば研究開発費率については、売上高の3.5パーセントなどと決定しておき、
売上高が減れば、研究開発予算の金額そのものは減ってしまいますが、
研究開発費率は変えないということが重要だと考えています。
逆にいうと、業績が非常に好調な場合でも、
研究開発費率については、急に上げるという対応は行わないほうが良いと考えています。
業績は寄せては返す波のようなものですので、
良いときもあれば、悪いときもあるものです。
良いときに上げてしまうと、悪くなった時に、
下げることが、またリスクとなります。
研究開発費率を、毎年大きく上下させていかず、
長期的に運用を行っていくことが重要です。
まとめ
今回は、研究開発費率について、お話をいたしました。
今回のお話は、多くの方がすでにご存じのことかと思います。
あえて、記事にいたしましたのは、
企業の業績の先行きが不透明な状況となると、
どうしても研究開発予算そのものが削減される傾向があるためです。
研究開発費率の考え方で、それを維持していくことで、
急激な環境変化から、研究開発の継続性を担保していくことが重要となります。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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