日本のiPhone13の価格が、「平均月収の6割」が示す弱い日本の危うさ

事業戦略

今回ご紹介する記事は
日本が経済的に弱くなっている
という現実を如実に示すものとなっています。

日本にいると、日本が弱くなっていることになかなか気づくことが
できませんが、こうしたデータを見ていくことで、
今何をしなければいけないかが、理解できるように思います。

日本のiPhone 13価格はなぜ「平均月収の6割」にもなるのか。 金融専門家が示す“弱い円”の現実

 

(下記は記事を参考に要約したものとなります)
Sep. 17, 2021, 「ビジネス・インサイダー」より

日本のiPhone 13価格はなぜ「平均月収の6割」にもなるのか。金融専門家が示す“弱い円”の現実
海外製品の価格が問題になるとき、日本円の総合力がいま諸外国に比べて圧倒的に低下していることが見落とされている。金融専門家はそう指摘します。

最近、「安い日本」を特集したメディア記事をよく見かける。

そうした議論は、マクドナルドのビッグマックや
スターバックスのラテ、アップルのiPhoneなど、
特定のグローバル商品の価格を尺度にして行われることが多い。

9月14日(現地時間)に発表されて話題を呼んでいる
「iPhone 13」について言えば、
日本での販売価格が「10年で3倍の19万円」となり、
「日本人平均月収の6割」に達したとの報道(日本経済新聞、9月16日付)もあった。

iPhoneを含めて「輸入品が高い」と実感される状況は、
当然のことながら裏を返せば「日本の商品が安い」状況とイコールだ。

結論として言えるのは、
対ドル相場はさほど動いていないように見えても、
日本円の総合力の低下は著しく、
それは取りも直さず日本の物価が諸外国に比べて
突出して下がっているということだ。

日本人が海外で消費・投資するハードルはかなり上がっている。
円はいま圧倒的に弱く、安い。

もちろん、逆に外国人が日本で消費・投資するハードルは下がる一方で、
日本人以外にとって「日本は安い」状況は極まりつつある。

最新のiPhone価格が「平均月収の6割」にもなる理由は、
端的に言えば、低成長が続くなかで賃金がほとんど増えていないからだ。

賃金が増えなければ、消費に回せる予算が制約されるので、
国内の物価は上がりにくくなる。
消費者物価指数(CPI)のような指標も低迷を続ける。

日本円の実質的な価値は劣化している。
本来、こうした通貨価値の劣化は日本の輸出産業にとって
追い風になるはずだ。

しかし、有力企業の多くはすでに海外に生産移管しているので、
通貨価値の劣化=円安の影響で(業績を大きく押し上げるほどに)
輸出量が伸びることはもはやない。

結局、最後に残るのは、「弱い円」を介して
海外の財・サービスを購入しなければならない日本人の不利な状況だけだ。
iPhoneが月収の大きな割合を占めるほど高いというのは、
あくまで末端の一例にすぎない。

今後は「弱い円」のおかげで、
石油・天然ガスのような資源にも余計なコストが乗ってくる展開が予想される。

結果として購買力は低下し、
そのような国にはさまざまなモノが入ってきにくくなる。

iPhone価格にとどまらず、輸入財がじわじわ高くなっていることが
実感されたこの機会に、
これまで注目されてこなかった実質実効為替レートのような
重要指標の変化にも目を向けていただきたい。

お伝えしたい点

「円が弱い」すなわち「日本が安い」状況が現実として起きていることが
こちらの記事からも如実に分かります。

リンク先の記事本文には
円相場のグラフと、消費者物価指数の日米欧比較のグラフが
掲載されており、こちらも参考となります。

ここで問題は、日本に在住していると、
海外との格差が広がっていることがあまり実感できない点です。

危機意識がないと、企業経営においても現状維持の選択がなされる可能性が高く、
機器が顕在化した段階でようやく重い腰を上げるということになりかねません。

(その段階ではもう遅いということです)

各企業は自社の強みの再確認を行い、
新しいものと組み合わせてイノベーション創出を意識することが
急務ではないでしょうか。

新しい価値(モノだけではなく、サービスやソフトウェアも含めて)を、
いかに生み出していくということが、
各企業にとっても、日本全体にとっても極めて重要となっていると感じられます。

こうした危機意識をお持ちの方で、
他社の方と情報共有あるいは、連携、コミュニケーションを取りながら、
自社の強みとのコラボラーションの可能性を探りたいという方は、
下記にご案内している、勉強会(無料)へのご参加をご検討ください。

日本全体が危機意識を共有し、
連携すべきところは連携しながら、グローバル競争に臨むことが
大切だという意識のもと、毎週行っています。

未来洞察の手法としての「スキャニング」の基本(1)
多くの企業では、将来的な変化を推測したり、 確からしい事実に基づいて、 自社の戦略や、新規事業のテーマ策定を行っています。 こうした将来的な変化の予測については、 メディアや専門家が「こうなるであろう」と 解説したものを活用することも多いか...
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