新入社員を中心とした新規事業プロジェクトは人材育成目的で活用する

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新規事業のプロジェクトがスタートする際に、
新入社員を中心としたメンバー構成でスタートする場合があります。

新規事業の創出を目的とした場合、
新入社員が中心となると失敗する可能性が高いため、お勧めできません。

その一方で、人材育成の効果を狙った場合は、
人材育成としての一定の効果を生み出します。

新入社員が中心となった新規事業プロジェクトはなぜ失敗するか

ここで、なぜ新入社員を中心とした新規事業のプロジェクトが行われるかを考えてみます。

多くのケースでは経営陣が、
「既存事業とは異なる新規事業について、
新入社員のフレッシュな発想が参考になるのではないか」というところからスタートし、
「新人教育の良い機会にもなるだろう」と考え、プロジェクト化を行います。

そして、ベテラン社員が「取りまとめ役」として参加し、
他のメンバーは新入社員ということで進められます。

新入社員の方は、「フレッシュな発想で」という
経営陣の考えを踏まえて発想を行います。

この後の進み方には色々なパターンがありますが、
テーマが実現することはまずありません。

新入社員の方が面白い発想のテーマにたどり着いたとしても、
ビジネスとしての実現する視点が欠けており、
「新規事業」を目的としても、結局とん挫してしまうからです。

新規事業には「自社の強み」への理解が必要

企業が新規事業を起こすうえでのポイントのひとつは、
「市場の未決の課題」を「自社の強み」で解決することだと考えています。

(「自社の強み」で「市場の未決の課題」を解決するという思考の順番だとNGです)

そのためには、
「市場の未決の課題について気づく力」と
「自社の強みを理解している力」の両方が必要となります。

新入社員の方は、当然ですが、
自社の強みへの理解、またビジネスそのものへの理解も浅いのです。

良いアイデアがあり、それを実現化するとしても、
市場の現状を踏まえて、当初のアイデアを調整していく必要があり、
調整を行う際にも、自社の強みへの理解が不可欠となります。

自社の強みへの理解から、どのような方向で調整をしていけば良いか
という発想につながる場合もあります。

自社の強みについての本質的な理解は、
どうしても長い時間がかかります。複数の領域での強みが、
ベン図のように重なり合って、その企業のオリジナルの強みを形成しているからです。

こうしたことから、
新入社員の方を中心とした新規事業のプロジェクトは
失敗することにつながるということです。

教育を目的とした場合は一定の効果がある

では、教育的側面ではどうでしょうか。

こうしたプロジェクトに参加する新入社員の方は、
優秀な方が多いため、マーケティング的な分析を行い
そこから発想を行う場合も見受けられます。

新卒の方は、webでの情報収集やフレームワークの活用、
マーケティング的な感覚は、優れている方が多いのも事実です。

こうした分析の技法を実際に経験してもらうという観点で、
教育的には一定の成果が認められます。

言い換えますと、
新規事業の創出には結びつかないため、これを目的としてはならないが
教育を目的とした場合は有効ということとなります。

近年では、新入社員研修で、新規事業の創出を行うケースが見受けられます。
研修のテーマとして行う分には良いということとなります。

まとめ

新規事業の創出を目的とした場合、
新入社員が中心となると失敗する可能性が高いことを説明しました。

一方で人材育成の効果を狙った場合は、
人材育成としての一定の効果を生み出します。

経営陣の強い意向で、
新入社員の方を中心とした新規事業プロジェクトがスタートした場合、
目的を教育のほうにシフトするということも
選択肢としてお持ちになっていただくのが良いと思います。

本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

補足

人材発掘の方法として、社内プロジェクトの開発について
下記で解説いたしましたので、併せてご参考いただければ幸いです。

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