これまでインフレ懸念について述べてきましたが、その影響が、
株式や債権といったところにも見え始めてきました。
【米国市況】株が続落、国債利回り急上昇-CPI加速で市場動揺
2021年11月11日 6:56 JST「ブルームバーグ」より
■記事転載■
10日の米株式相場は続落。
S&P500種株価指数は1カ月ぶりの大幅安となった。
米国債利回りは急上昇。
10月の米消費者物価指数(CPI)を受けて、金融市場に動揺が走った。
30年債入札での落札利回りが予想を上回ると、S&P500種は下げ幅を拡大した。
CPI統計の発表後に2年債利回りも上昇。
利上げ時期を巡る見方が大きく変わる格好となった。
5年物インフレ連動債(TIPS)のブレークイーブン・レートは過去最高水準に上昇した。
ハイテク銘柄中心のナスダック100指数が大きく下落。
同指数を構成する高バリュエーションのハイテク企業は
インフレの影響を最も受けやすいとみられている。
S&P500種は前日比0.8%安の4646.71。
ダウ工業株30種平均は240.04ドル(0.7%)安の36079.94ドル。
ナスダック総合指数は1.7%低下。
ニューヨーク時間午後4時12分現在、
10年債利回りは13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.56%。
10月のCPIは前年同月比で6.2%上昇し、
ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値の5.9%上昇よりも高い伸びを示した。
シティー・インデックスのシニア金融市場アナリスト、フィオナ・シンコッタ氏は
「6%の水準を超えた今、米金融当局はやや焦り出すだろう」と指摘。
「彼らがCPIの6.2%上昇という数字を無視できるとは思えない。
もっとタカ派的な感じを促すだろう」と述べた。
外国為替市場ではドルが主要10通貨に対して全面高。
米国債利回りが上昇したことが背景。資源国通貨は原油安を背景に、さらなる売り圧力も受けた。
ニューヨーク時間午後4時12分現在、
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.9%上昇し、
2020年11月以来の高値。
ドルは対円で0.9%高の1ドル=113円93銭。
ユーロは対ドルで1%安の1ユーロ=1.1478ドル。
ニューヨーク原油先物相場は大幅反落。
国内の原油在庫が予想外に増加したことが原油の売りを呼び、
下げはドルの上昇とともに加速した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物12月限は、
前日比2.81ドル(3.3%)安い1バレル=81.34ドルで終了。
この1週間で最大の値下がりとなった。
ロンドンICEの北海ブレント1月限は2.14ドル下げて82.64ドル。
ニューヨーク金相場は大幅続伸し、ほぼ5カ月ぶりの高値を付けた。
10月の米消費者物価の上昇率が予想を上回ったことから、
ゼロ金利政策からの脱却を急ぐよう米金融当局に圧力がかかるとみられている。
TDセキュリティーズの商品戦略グローバル責任者バート・メレク氏は、
インフレヘッジに使われる「金にとって良い」シナリオだと述べた。
スポット価格は一時2%上昇し、6月以来の高値となる1オンス=1868.69ドルに達した後、
ニューヨーク時間午後1時20分までに1846.59ドルで推移。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比17.50ドル(1%)高の
1848.30ドルで終了した。
注目した点
CPIは、インフレ率と読み替えて良いかと思いますので、
インフレ率は6.2% と理解できます。
インフレ率が6%超えているのに、
米国債は利回りが2%以下の状況でしたので、
米国債を買いたいと思う人はおらず、国債利回りは急上昇しています。
国債の金利が急上昇するということは、
経済が、不安定な状況になっていると捉えられます。
それから、
中国のエバーグランデの問題が、最近はあまり報道されていませんが、
債権の支払いが進んでいるという報道と、進んでいないという
全く意味の異なる2つの報道がなされており、実態が掴めません。
しかし、中国の不動産関係は、どうも大きな問題を抱えていそうです。
こちらは、海外債務の話につながります。
日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は
96億円分のエバーグランデ関連の債権を購入しています。
GPIFだけではなく、イギリスでは
英資産運用会社アシュモア・グループは、440億円、
ブラックロックとUBSグループ、
HSBCホールディングスが債権を持っています。
(いくらかは不明ですが大量保有という話は出ています)
現状のアメリカと日本の市場だけを見ていても、なにかが起きており、
債権バブルの崩壊? につながらないかと懸念しています。
仮に、債権バブルが崩壊すると当然ですが、株式市場も大きな下落となります。
債権バブル崩壊はアメリカもしくは中国が震源地と推測されるため、
日本では、若干(といっても半日~1日程度)タイムラグが生じるかと思われます。
その時に何をすべきかは、あるいは事前に何をしておくべきかは、
お持ちの資産の段階により異なりますが、
心構えだけはしておいたほうがよいかもしれません。