新規事業担当になって辛いという方に:目的意識の寓話

石をバランス良く積む 新規事業

新規事業やイノベーションを成功させるまでの
道のりは長く、険しく、時に失敗も伴うものです。

必ず成功するという保証もなく、
事業化に成功したからといっても、
市場での大きな売上にはならず、
結果的に評価につながらない場合もあります。

このように申し上げますと、
新規事業やイノベーションの創出に、及び腰になってしまうかもしれません。

しかしながら、
「これまで世の中にない価値を作り出すこと」が
イノベーションや新規事業の本意です。

「世の中にない価値を作り出す」「世の中の課題を解決する」ことが
あなたご自身の手で行えると考えると、
がんばれそうな気がしてきませんか?

また、新規事業やイノベーションを志向すると、
その取り組みが、なんらかの
変化や気付きを生み出していきます。

そうした変化や気付きが実や世の中を良くしていきます。

今回は、新規事業の担当になったのだけれども、
うまくいかず、辛いという方の後押しとなればと思い書いてみました。

目的意識の寓話

イノベーションや新規事業を担当されている方に、
是非知っておいていただきたい「石積みの寓話」があります。

石を積んでいる3人がいて、
その方たちに、「あなたは何をしているのですか?」と聞いたところ、
それぞれから異なる答えが返ってきました。

Aさん「私は石を積む仕事をしています」

Bさん「私は石を積んで、建物を作っています」

Cさん「私は石を積んで、神様のための教会を作っています」

このなかでABCの誰の積んだ石が、後世に残る可能性が高いでしょうか。
同じように石を積んだとしても、
Cさんの結果が圧倒的に良いものとなることが直感的に理解できるかと思います。

人間は、自分が何のために、何を行っているのかが明確に
なると大きな力を発揮することができます。

逆に、目的が明確でないと、仕事ではなく、作業となってしまいます。
新規事業やイノベーションは、先述の通り不確定性が高い課題です。

不確定性の高い「作業」は、その先になにがあるのかが分からないなかで、
自分の意思に関係なく進めなくてはいけないため大きなストレスになってしまいます。

新規事業やイノベーションを進めることで、
これまで大きな課題を抱えていた方々の、助けになるかもしれないと考えると、
困難な業務に取り組む力が湧いてくるのではないでしょうか。

今、新規事業が辛いという方に

今、新規事業が辛いという方は、
もしかすると、会社や上司の方からの命令で
あまり乗り気がしないなかで、日々取り組んでいるのかもしれません。

その時に、イメージしていただきたいのが、
現在進めていることが無事に成功した場合、どんな方が喜ばれるでしょうか、ということです。

何から取り組めばよいか分からず、暗中模索をされている方もおられることでしょう。

そうした場合は、
ご自身が、社会的な課題だと感じておらえることは何か、
身の回りで、困ったこと、困っている人、あったらいいなと思うことを
考えていきましょう。

そして、そうした社会的な課題が解決された時に、
どのような人が笑顔になるでしょうか。
そこを目的として意識してみると、
新規事業やイノベーションへの取り組むことへの価値が見えてくるかもしれません。

あなたがイノベーションに取り組むことが世界を確実に良くしていく

ここでひとつ強調したいことがあります。
新規事業やイノベーションは、
成功や失敗とは別に、取り組むことに大きな価値があるということです。

新規事業やイノベーションは、
これまでにはない新しい価値を創出する作業です。

新しい価値を創出するという目標に向かって
行動した時には、失敗も含めて必ず何らかの変化が起こり、気付きが得られます。

こうした変化や気付きは、小さいものであることがほとんどです。

しかし、世界中で、新しいことへの取り組みが
日々行われ、小さな変化が生み出されて、総合すると膨大な変化となります。

一つひとつの変化はあまりにも小さいものであるため、多くの場合、誰も注目されません。
それでも、小さな変化が積もりに積もって、
知らぬ間に大きく世の中を良いものに変えているのです。

小さな変化の積み重ねが世の中を良い方向に変えているという事実は、
ハンス・ロスリング著
『FACTFULNESS(ファクトフルネス)
 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』にも示されています。

本書では貧困問題は過去20年で半減し、世界の平均寿命も年々伸びていること、
災害の死者や飢餓は減り、安全な飲み水や識字率、女性参政権の数字は伸び続けている、
といったことがデータで解説されています。

世の中は少しずつ良くなっていますが、
その背景には、新しい価値を志すなかで行われた
名も知れぬ変化と人の努力があるということが見えてきます。

新規事業やイノベーションは、悩みや課題を解決に導く取り組みです。
仮に成果がでなかったとしても、その過程のなかで得られた気づきは
ご自身の次の仕事に活かせるはずです。

また、新規事業やイノベーションに取り組んだの過程は、記録に残ります。
後の世代が、これらを参考に、成果に昇華させる可能性もあります。
新規事業やイノベーションへの取り組みは、その成功、失敗を問わず、
直接的にも間接的にも世の中を良くすることにつながっていくということです。

まとめ

新規事業やイノベーション創出は、なかなか先が見通せず、
不確定ななかを手探りで道を探るのは、大変な仕事です。

業務として任された場合、その目的がわからず、
取り組みそのものがストレスに感じるという方も多いでしょう。

しかし、新規事業やイノベーションに取り組むことで、
(結果はここでは重要ではありません)
何らかの変化を生み出していくことが、世の中を良くすることに
つながるということを強調したいと思います。

今日、新規事業やイノベーション創出に取り組んだことが、
間接的に世の中を良い方向に動かしていると感じられると、
これまでとは違う行動ができるかと思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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