多くの日用品については、
日本では9月10月頃に値上げされましたが、
グローバルでの製品輸出状況などを見ますと、
今後も何度かこうした値上げが行われると推測しています。
安売りで有名な「業務スーパー」さんの記事が
今後の動向を推測するのに参考になりそうですので
ご紹介いたします。
格安で急成長「業務スーパー」も値上げモード、物価上昇で-神戸物産
2021年11月16日 「ブルームバーグ」より
■記事転載■
原材料価格や輸送費の高騰などを背景に国内でも
物価上昇の兆しが出ている中、食品を中心とした格安販売で
消費者の支持を集めてきた「業務スーパー」を展開する神戸物産は
大規模な値上げに踏み切った。
今後も値上げ基調は継続する可能性がある。
神戸物産の沼田博和社長は10月28日のオンラインでのインタビューで、
「原材料のコストアップ、資材、運賃、光熱費など
あらゆるコストが上がっている」と指摘。
同社は9月、大規模な値上げを実施した。
今後も「適正な値上げを行うのが前提になる」と述べた。
神戸物産では7月に欧米からの輸入品の一部を対象に値上げを実施。
その後も海上運賃の高騰などでコストがかさんだため、
9月にアジアから輸入しているプライベートブランド(PB)
200品目の値上げに踏み切った。
値上げ幅は平均で約8%。商品価格の見直しは随時行っているが、
今回の規模の値上げは2008年の小麦価格高騰や13年の急速な円安以来という。
店舗を倉庫代わりにしてバックヤードの
スペースを極端に切り詰めたり、自社独自のPB商品を積極的に
取り扱ったりすることで低価格を実現した。
アパレルのファーストリテイリングや
家具販売のニトリホールディングス(HD)と同じ、
製造小売り(SPA)に近い業態だ。
沼田社長は顧客の支持を維持するためには単に値上げだけでなく、
コスト削減を急ぐ必要があるとの考えを示した。
(後略)
気づいた点
インフレの影響が日本でも、顕著となってきたようです。
2021年10月より値上げしたもので主なものは下記となります。
そのため、輸入小麦を使用したパン、菓子、麺類などの商品も値上げ。
一般家庭の平均としては、10月は9月より140円程度値上げ。
一般家庭の平均的としては10月は9月より104円の値上げ。
記事のなかで下記の点に注目しました。
>神戸物産では7月に欧米からの輸入品の一部を対象に値上げを実施。
>その後も海上運賃の高騰などでコストがかさんだため、
>9月にアジアから輸入しているプライベートブランド(PB)
>200品目の値上げに踏み切った。
今回様々なものの値上げが、特定の地域の製品ではなく、
かなり広範囲に及んでいることが見えてきます。
輸送コストについては、
港湾の混雑と船舶の不足がありますが、
それに加えて、燃料費の高騰も影響しており、
下記のウォールストリートジャーナルでは、
輸送コストが2023年まで高止まりと予測されています。
輸送コストのみにクローズアップしても
値上げ背景に複数の要因が絡み合っているため、
解消が難しい状況のようです。
輸送コストのところだけを見ても、
今回のグローバルでのインフレ影響は、
かなり長期で続く可能性が高いといえます。
10月に値上がりした製品からも、
海外からの日本に入ってくるものが影響を受けていることが
わかりますが、
今後、エネルギー高などの影響を受けて、日本国内で製造されている製品についても
値上げは避けられないと考えられます。