サプライチェーンの混乱。ナイキのシューズは2022年夏まで手に入らない。

経済動向

アメリカではクリスマス商戦の時期が到来しています。

しかし、グローバルでのサプライチェーンの混乱により、
欲しい品物が手に入らない状況が起きているようです。

たとえばナイキのシューズは、
これまでクリスマスでのプレゼントとして
人気を博していましたが、クリスマスまでには
ナイキショップでも製品入荷ができず、
予約申込をしたお客さん
注文をキャンセルする状況が続いています。

ナイキのシューズがクリスマス、いや来年夏まで入荷しない!?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/11/post-97530.php

しかも、クリスマスどころか
2022年の夏までの注文についても
ナイキ側は、品物を届けることができないとして
キャンセルの対応を行っています。

サプライチェーンの混乱は、
コロナ禍を発端とした職場閉鎖と経済悪化から
はじまっています。

その後、経済が一定程度回復しても、
労働者の不足による製造が維持できないという問題が生じています。

さらに、コンテナ輸送が、
人手不足と港湾閉鎖などでスムーズに進んでおらず、
港から出た商品についても、トラック運転手の不足で
必要とするところに届けることができないという事態も
起きています。

これに併せて、現在
エネルギー価格の高騰と、それに伴うインフレの問題が生じ、
一層ものごとを複雑にしているのです。

ナイキの状況からも、少なくとも2022年夏までは
こうした状況が続き、場合よってはより悪化する可能性が
高いことが分かります。

こうしたことから、今後のシナリオについて、
サプライチェーンの混乱が長期化することを
前提に企業も個人の方も、方策を考えたほうが良さそうです。

先日の記事では、
トルコのハイパーインフレの問題を紹介しました。

トルコで起きているハイパーインフレ。ワイン価格は1日で15%、鶏肉,チーズは10%上昇
トルコでは、エルドアン大統領が 金融政策として「利下げ」を行いました。 「利下げ」というのは、 中央銀行が貸し出すお金の金利を引き下げるということです。 金利が下がれば、企業側は資金調達がしやすくなります。 そのため、世の中にお金が流れやす...

このケースでは、トルコの金融政策が失敗したことが
引き金となっていますが、
対ドルで大きく通貨安となっている国として
韓国やスウェーデン、ロシアがあります。

そしてまだそれほどではありませんが、
日本も円安ドル高の局面が、一時的にせよ
出てきています。

サプライチェーンの問題、
インフレの問題、
エネルギー高の問題
については、それぞれが単発ではなく複雑に絡み合っており、
今後、日本でも大きな影響が出てくると考えたほうが良いでしょう。

識者の多くは
年明けから、まず石油価格が一段と上昇し、
それに伴い、各種製品の値上げとなると指摘をしています。

問題は、それがどの程度の上昇となるか、
また、どの程度の期間続くかです。

上昇率については、現段階では、見えてきません。
が、アメリカの消費者物価指数が
2021年10月が、前年同月比6.2%上昇していることから、
日本においても、ある段階から少なくともこの程度の上昇が
起こると推測されます。

それから、期間についてですが、
ナイキの状況から、少なくとも、
2022年の夏までは続くと想定されます。

もし、今後、経済的に大きな国で、経済的な混乱が生じた場合、
影響が大きく、また長期的になるかもしれません。

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