2022年について、現状の延長線からの予測

未来予測

12月に入りますと、
「来年はこうなる!」といった書籍や、
予測データが各シンクタンクから出されています。

たとえば、「みずほ銀行」では、
下記のような詳細な調査結果を公表しています。

日本産業の中期見通し
—向こう5年(2022—2026年)の需給動向と求められる事業戦略—

みずほ産業調査 | みずほ銀行
みずほ銀行産業調査部資料

また、書籍でいえば、下記のようなものが
毎年発行されています。

「これからの日本の論点2022 日経大予測」
 日本経済新聞社 (編集)

 

「2022年 日本はこうなる」
 三菱UFJリサーチ&コンサルティング (編集)

 

それぞれ、異なる切り口もあるのですが、
大き流れとして共通するものがあり、
それらをまとめると下記のようになります。

・コロナ禍の経済影響について、回復するものの
 回復ペースは緩やかなものとなる。
 回復期に労働力の投入が難しいという推測のため。
 特に対面型の業界(飲食、宿泊、旅客輸送、小売店、冠婚葬祭)
 では一旦手放した労働力を再度集めることが困難。
 少子化による労働人口減少が背景。
 需要があっても供給が追いつかない可能性。
・グローバルで消費活動が回復するにつれて
 「財」の需要が堅調に伸びる。
 これに対応するため、
 労働力不足を補う設備投資、IT投資の流れは加速化。
・円安が進む可能性がある
 米国のテーパリングや 貿易収支の黒字幅の低下による日本の国力低下の問題など、
 複合的要因。
 輸出企業には円安メリットがある反面、
 エネルギー価格、原材料価格がグローバルで高騰しており、
 日本全体としては、円安のデメリットが見えてくる。
・インフレ傾向になる可能性が高い。
 しかし、所得が伸びる可能性は低く、
 実質所得は一段低くなる。
 インフレ傾向はグローバルのものであり、
 円安の状況となった場合、交易条件も悪化する。
・中長期の研究開発投資に関心が高まる可能性。
 先端技術分野での日本の競争力の低下に課題意識が持たれる。
・半導体、情報通信機器、医薬品など戦略的品目については、
 国内回帰の流れ。
・中国経済は、成長スピードが鈍化。
・気候変動対応に、積極的なEUの動きが世界標準となる可能性。
 脱炭素に関係する国の歳出も増加。
・原油は高止まり。

ところで、こうした予測は、
現状の延長からの予想であるため、
何か大きなイベントが生じた場合は、
大きくハズレてしまうという運命を持っています。

企業においては「シナリオ・プランニング」の考え方を採用するのが
将来見通しが難しい現代においては妥当だと考えています。

STEP分析で、影響がありそうなテーマを分類。

それらを、「起こる可能性」と「影響度」
の2軸4象限に分けていき、
「起こる可能性が高く、影響度が高い」シナリオと
「起こる可能性は低いが、営業度が高い」シナリオの
2つについて、対応策を考えるというものです。

「シナリオ・プランニング」については
下記のサイトがよくまとまっており、参考になります。

https://media.bizmake.jp/method/howto-scenario_planning/

2022年がどのような年となるのか、
今の段階でははっきりと見えていない部分が多いわけですが、
変化に対して、柔軟な対応ができるようにしておきたいものです。

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