新規事業の仕事がツライという悩みのあるあなたに

水たまりに落ちた紅葉 新規事業

新規事業の担当に配属されて、業務に対応されるなかで、
日々ツライという方が多くおられると思います。

そのお気持ち、よーく分かります。

私自身も新しいテーマの事業を担当して、
3年ほど全く収益の目処がつかない状況を経験しています。

事業単体として見た場合、
人件費を考慮すると完全に赤字という状況でした。

半年に一度の査定では、
収益化の目処と、そのための施策について報告が求められましたが、
針のむしろのような非常にツライ状況を経験しています。

今回の結論は、新規事業がツライようであれば、
「一旦離れる」という選択肢があると認識していただきたということ。
また、環境がツラさの要因となっている場合があるが、
それはいずれ変わるというお話になります。

次の章から、詳しく見ていきます。

既存事業とは大きく異る新規事業の世界

あなたは、既存事業で成果を上げてこられ、
社内でのポジションも確保されてこられたのだと思います。
既存事業でこのまま進めば、将来的にもそれなりに出世できることも
イメージされていたのだと思います。

それが急に「新規事業の担当になってくれ」と言われ、
取り組んでみたものの、既存事業とは全く異なる状況に、不安を感じられたかもしれません。

努力をしても、評価につながっている気配がない場合もあります。
そもそも努力の方向性が合っているのかも分からないということも少なくありません。

私も含めて、相談をいただく新規事業の担当者の方から、
こうした悩みをたくさんうかがいました。

真面目で優秀な人ほど壁にぶつかる新規事業

新規事業の担当に配属される前に、上司の方から次のようなことを言われたかもしれません。

「あなたは、これまで既存事業で実績を上げてきた。
現在、企業としての業績は好調だが、これから先を考えた時に、
収益の柱を作っておく必要がある。
あなたを見込んでのことだから新規事業に取り組んでほしい」

こうした言葉に、最初はうれしかったものの、
実際に取り組んでみると、既存事業とは別世界。

苦労しても、評価は下がる一方で、
「なぜ自分がこんな目に合わなくてはいけないのか」と思われたことでしょう。

既存事業の担当から、新規事業に配属された方は、
真面目で、優秀な方が多いように感じます。

真面目で、既存事業で実績を上げた方ほど、
新規事業では壁にぶつかります。
それは既存事業と新規事業のプロセスが異なるため当然のことだと思います。

一旦離れる選択肢もある

もし、新規事業にチャレンジするなかで、
全く面白みが感じられず、毎日、ツラく
ストレスがかかりすぎて、夜も眠れない、体調がおかしくなった
という場合は、「一旦離れる」という選択肢があることを
頭の片隅に置いておかれると良いと思います。

あまりツラい、あるいは将来が全く見えてこないようでしたら、
上司の方と相談をし、一旦離れても良いのではないでしょうか。

悩み続けて、ご自身が潰れてしまっては元も子もありません

一旦、離れることをお勧めする理由は、
離れている間に状況や環境が変化する可能性があるためです。

状況や環境が変化すれば、あなたご自身の立場や評価も良い方向に変わる場合があります。

悩みの状態が続くと、人はどうしても「いつまでも悪いことが続く」と
考えてしまいがちです。

しかし、状況や環境は必ず変化します。
悪い状況もいつまでも続きません。

新規事業のリーダー職の方の決断と結果

とある製造業の、新規事業担当者のリーダー職の方は、
これまで、長く新規事業の担当者を務め、
研究開発のシーズを、事業に展開することを成功させてきました。

ある時に経営陣の交代があり、
株主から、新規事業案件についての厳しい指摘があったことから、
期間を区切った短期的な目標設定を求められるようになりました。

そうした現状では、新規事業の担当者を続けることは難しいと
その方は考えました。

自分自身も新規事業が好きであったし、
適性も経験もあると考えていましたが、それでも
部署異動願いを出すことにしたのです。

異動先となった部署は、環境マネジメントに関する部署で、
50歳を超えて一から業務を勉強をしなければいけないことになりました。

その方は環境マネジメントの部署では、大変苦労をされたようでした。

ところが3年経った頃、経営陣が刷新されます。
新しい経営方針、計画が策定され、新規事業については、
長期的視点から進めるということになったのです。

新社長は、もともと研究開発畑ということもあり、新規事業への理解がありました。

そして、先のリーダーは、これまでの実績が改めて評価され、
新規事業部長として抜擢をされることになりました。

新たに新規事業開発部長となってからは、生き生きと働いておられます。

ご本人は、「あの時に離れる決断をしていなかったら、
結局、私自身が潰れていたと思います」と述懐されたのが印象的でした。

まとめ

新規事業の担当者となり、
ツライ毎日を送られている場合は、
一旦離れるという選択肢もあることをお話ししました。

ご紹介した新規事業のリーダー職の方の場合のように
一旦、離れている間に、経営環境が変わる場合もあります。

また、アイデアや事業については、
タイミングがあり、同じアイデアや事業であっても、
市場の評価が大きく変わることがよくあります。

本日の記事が、今つらい方のご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。

補足

新規事業やイノベーションを起こすことは、組織としてはやはり重要だと
捉えています。新規事業やイノベーションの意味合いについては、
改めて考えてみたいということもあると思いますので、下記の記事を
ご参考いただければ幸いです。

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