2022年1月以降の値上げ予定について、
各企業が次々と発表を行われています。
食品関係では、
食パン・菓子パン、パスタ、冷凍食品、
ちくわなど練り物、ハム・ソーセージ、醤油、
コーヒー、ジャム、マヨネーズなど。
電気・ガス料金についても
1月分の料金も、平均して100円程度の値上がりが
発表されています。
東京ガスの記者会見では、
「直近の輸入価格が上昇しているため、
今後、半年程度は値上がりが続く」
としています。
これらの背景には、本ブログで、何度か記載したように
エネルギー価格の上昇、輸送コストの上昇と混乱、
製品価格のグローバルの値上がりがあります。
![](https://anaino.com/wp-content/uploads/2021/11/countryside-g2104120b1_640-160x90.jpg)
![](https://anaino.com/wp-content/uploads/2021/11/shopping-gc188824bb_640-160x90.jpg)
ところで、
日本はこれまでデフレの時代が長く続いてきました。
その象徴とも言える食べ物に「牛丼」があります。
2001年、牛丼チェーンの吉野家は
並盛一杯280円で提供しました。
その後、値段の波はあるものの380円付近というのが
この20年続いてきました。
それが、
2021年10月末に426円に値上げを行っています。
一杯400円を越えるのは
1990年以降で、はじめてのこととなります。
なお、他の牛丼チェーンもこれに追随する形となっています。
すき家も値上げ、並盛350円→400円 吉野家・松屋に続き。
https://news.yahoo.co.jp/articles/588656539d109ed7188b448ab4635c6e8a260df9
1990年といえば、
ちょうどバブル前後のタイミングで、
日経平均が、史上最高値(3万8915円)となったのが、
1989年12月29日。
その後下落をするわけですが、
日本という国全体が、好景気に浮かれていた時期の
牛丼の価格を超えたという状況です。
現在は多くの方が好景気を実感する状況とはほど遠く
モノやサービスの値段は一気に上がっていると言え、
スタグフレーションの様相を呈しているとと
言ってもよいかと思います。
問題は、現状のインフレ傾向やサプライチェーンの混乱が
日本だけではなく、世界で起きており、
その終息は見えていないという点となります。
グローバルでのサプライチェーン混乱の様子は、
マクドナルが、
ポテトM・Lの販売一時休止したというニュースからも
その深刻さが見えてきます。
![](https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO1405839021122021000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&w=1200&h=630&fp-x=0.5&fp-y=0.5&fp-z=1&crop=focalpoint&s=a3cd937adf34e046768aa3d99cfebb57)
記事の中では、下記のようにあります。
「マックのポテトは米国とカナダで加工され、
冷凍された状態で船便で運ばれる。
コンテナ不足のほか、船便の寄港地である
カナダ・バンクーバー港近くで11月下旬に起きた
水害の影響もあり、大量の荷物が同港に
滞留していることも影響している。」
マクドナルドでは、今後、船便に加えて、
航空便の活用も視野に入れているようですが、
航空便を活用すれば、それだけ輸送コストは高くなります。
長く続くようであれば、最終的な価格に転嫁する
状況となりそうです。
さらに、心配なことは、
食材そのものの価格が高騰しているという点です。
たとえば、インドでは、インド証券委員会が
12月20日に、主要農産品の先物取引を停止する
と発表を行いました。
食品価格の高騰を受けての発表ですが、
先物での価格高止まりは、
一般に流通する商品の値段の高騰を後押ししますので、
一般社会への影響を考えると、なるほどと思える対応です。
![](https://jp.reuters.com/pf/resources/images/reuters/reuters-default.webp?d=176)
個人的な観測としては、
今後もエネルギー高騰、食品価格の高騰、
サプライチェーンの混乱は続くと思われます。
次に、日本でどのような影響があるかについては、
アメリカの状況が参考になります。
記事では、アメリカの飲食店で、
メニューがコスト効率の良い料理に限定されるような
事態が起きており、
背景には、食材高騰や人手不足があるとのこと。
2022年の予測レポートを読んでいると、
飲食の業界は、回復傾向が見られず、厳しい状況が
続くという論調が主流となっています。
日本においても、値上げの次には、
メニューの限定ということになるかもしれないと
感じています。
飲食店だけではなく、広い業界においても、
原料価格の高騰、不足、サプライチェーンの混乱による遅延が
あるため、
製品やサービスの絞り込みの戦略が
必要となると考えています。
対応するタイミングは、業界状況により異なりますが、
現段階では、少なくとも自社シナリオとして
「希望的観測」と「厳しい観測」の2つを用意して、
トリガーの設定も考えておくことが重要となります。