新型コロナウイルスの問題が、地球規模で社会全体に大きな影響を与えています。
都市の封鎖が行われており、企業によっては業績に
これまで経験しなかったような影響がでているところもあるかと思います。
コロナウイルスの問題の終息がいつになるのかは分かりません。
いつ終わるか分からないという点も大きな不安材料となっています。
こうした状況のなかで、「いつ元の生活に戻るか」という意識ではなく、
「現在の状況が続く可能性がある」あるいは「別の大きな変化が生じる」ことを
前提として考え、行動する必要があります。
次の章から詳しく見てい見ましょう。
コロナウイルスの問題に対する3つの反応パターン
今回のコロナウイルスの問題が、実生活に影響を与え始めてから、
人々の行動は次の3つのパターンの反応を示しています。
(2)いつ元の生活が戻るかを不安に思う方
(3)変化への対応と前向きに捉える方
それぞれの特徴について述べていきます。
(1)これまでと変わらず生活している方
「自分は大丈夫」とこれまでと変わらない生活を送っている方がいます。
こうした方々は、非難の対象となっていますが、
人間の本質から考えると理解できる行動です。
「正常化バイアス」が働いているのです。
「正常化バイアス」とは、心理学用語で、
災害発生時などにおいて、自分にとってマイナスとなる情報を
無意識に無視したり、「大丈夫だ」と根拠なく思ってしまう人間の性質を指します。
たとえば、韓国で地下鉄の火災の事例ですが、
残念ながら多くの方が煙にまかれてお亡くなりになりました。
火事が起きた初期の段階で、列車がストップし、
その後、電車内に煙が充満しましたが、
多くの方は逃げなかったといいます。それでお亡くなりになったのです。
助かった方は、煙が社内に入ってきた段階で、
自分でドアを開けて、電車の外に逃げ助かることができました。
逃げなかった方には「正常化バイアス」が働き、
「まだアナウンスもないから大丈夫だろう」と思ってしまい、逃げ遅れたのです。
コロナウイルスの問題でも、これだけ感染の危険が報じられていても
「正常化バイアス」によって、これまでと同様に行動してしまう人が多数見受けられます。
「変化への対応」という観点からみると、
こうしたバイアスが生じてしまうことは、非常に危険であると考えられます。
しかし、周囲の方がいくらアドバイスしても、
人間の本能に根差したものであるので、行動変容を促すことは難しいというのが
現実のところかと思います。
(2)いつ元の生活が戻るかを不安に思う方
多くの方が、いつ元の生活が戻るかを不安に思ってらっしゃるでしょう。
しかし、社会の様々な面で、人々の行動様式に変化が起こりました。
消費活動の傾向も含めて、
新型コロナウイルスの問題が起きていなかった頃と全く同じ社会状況に
戻る可能性は少ないと考えられます。
たとえば、大きな社会変化として企業ではDX推進が一気に進みました。
これは今後の人々の働き方について、大きな変化につながると考えられます。
また消費活動にしても、今後、コロナ禍が収束するにつれて、
その反動の消費はあるものの、
自粛生活のなかで不必要なものに目を向けたことで、
買い控えるという意識ではなく、日常的にそれほどモノを求めない消費活動が
メインとなっていくと考えられます。
そのため、「いつ元の生活に戻るか」という意識ではなく、
「現在の状況が続く可能性がある」あるいは「別の大きな変化が生じる」ことを
前提に、仕事や生活を改めて考えていく必要があります。
現在の状況が、仮に5年続くとしたら、
どのような準備、今後の生き方を選択されますでしょうか。
そうした時に、「ご自身はどのようにありたいのか」を
ゼロベースで今段階から考えなくてはいけない時代なのかもしれません。
(3)変化への対応と前向きに捉える方
少数ですが、コロナウイルスの問題で生じた変化を
前向きにとらえて対応している方々がいます。
こうした方々は、今回の問題で次のような「気づき」を得たと主張します。
・環境問題への意識が、これまでにないほど高まっている
・経済を優先にして、自分の生活をないがしろにしてきたことが分かった
・本当は必要ではないものに、いかに時間を使ってきたかが分かった
リヤ・ソコルの「ありがとう、コロナウイルス」という動画が
大きな反響を呼んでいます。
新型コロナウイルスによる深刻な影響を受けた方は、
この動画が腹落ちすることは難しいかもしれません。
しかし、大きなメッセージとして、
現実にこれまでとは世界が変わったということは、納得のいくところです。
まとめ
コロナウイルスの問題に対して
3つの反応パターンを見てきました。
新型コロナウイルスの問題は、大きな社会構造、人々の意識の変化を
もたらしました。
そうした時代においては、「誰かがこうしたから」ではなく
「自分自身がどうありたいか」が重要になります。
ご自身は、これからの人生をどのようにありたいと考えておられるでしょうか。
ゼロベースで考えたときに、
どのような仕事をし、どこで、誰とどのように暮らしますか。
大きな変化の波のなかで、自分がどうありたいかがしっかりしていないと、
どうしても流されてしまいます。
この機会に、一度、ご自身の在り方を考えてみてはいかがでしょうか。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
追記
新型コロナウイルスの影響について、アメリカでの考察、が参考になりますので、
是非ご一読ください。
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