FRBは11月15日から、
テーパリング(量的緩和を段階的に終了していくこと)
を始めることを決定しました。
これまでドルをどんどん市場に出していたのを止めていく
ということです。
市場へのお金の供給を少なくすることで、
インフレを防ごうという狙いも見えてきます。
しかし、インフレにつながる要因として
下記の4つの要素が見えてきています。
①グローバルでの景気の回復
②アメリカでの堅調な個人消費の伸び
③人手不足(後述)
④エネルギー価格高騰
テーパリング(と利上げ前倒し)で上の4つの不確定要因に
対処できるかは、難しいところだと考えています。
このなかで、特に、
③人手不足については、深刻です。
アメリカではロックダウンに際しての
コロナ対策として3度の現金給付が行われました。
2020年3月には
大人1人につき最大1200ドル(約12万円)の給付。
2021年1月には
大人1人につき最大600ドル(約6万円)給付。
2021年3月には最大1400ドル(約15万円)給付。
また、2020年3月から2021年9月まで
失業保険の上乗せ措置が導入され、
多いときでは通常の失業保険に加えて、
日本円で月に25万円程度が給付されました。
経済が少しずつ正常化するなかで、
緊急措置がなくなりお金をもらえなくなっても、
労働者たちが働き始める動きが鈍い状況で、
人手不足が社会問題になっています。
この影響は、大手の製造業の正社員の賃上げ要求にも
つながっており、人材の問題は今後もしばらく続きそうです。
不安材料として、
公共関係の予算が削減されているため、ゴミ収集が遅れこれも
問題となっています。
警察関係、消防関係の予算も削減されており、
治安の悪化が深刻な問題になっているようです。
社会が混乱すると政権運営に疑問が生じます。
すると、次の中間選挙では、民主党政権が負ける可能性につながり、
政治的な不安定がさらに生じて、
市場にも混乱が出てくるかと思われます。