ポストコロナ時代の働き方:メンタル不調への対応

ポストコロナ

現在、多くの企業でテレワークが導入されています。

通勤の負担がかからない反面、
在宅勤務によってオンとオフの区別がうまくできず。
体調の不良を訴える方も多いようです。
特に社員の方の精神面での不調が、大きな問題となっています。

これまで企業では、日常の行動のなかで
メンタル面での不調が感じられた社員の方については
上司を含めた周囲の社員の方々が注意して見守ることで、
場合によっては早期の医療機関への受診を促すことが
完全ではないにしてもできていた部分がありました。

しかし、テレワークでは察知することが難しいというのが
現実だと考えています。

今回は、精神面での不調に対して、
どのように対応していくかを考えます。

テレワークの状況下では社員の精神的不調を気づくことは難しい

テレワークの状況下では社員の精神的不調を気づくことは
当然のことながら難しいわけですが、
その難しさの背景には、不調であるご本人が
不調ということを隠してしまうということがあります。

メンタル面での不調の程度にもよると思いますが、
たとえば、ビデオ会議などの面談などの
限られた時間だけは、ご本人が不調を隠す対応をされますと、
周囲は察知することができません。

(隠すことが良いとか悪いということではなく、
周囲の方が気づきにくくなるということの指摘となります)

精神的な不調については、
たとえ毎日、オンライン会議で面談していたとしても、
上司の方が気づくことは難しいと考えています。

以前、企業を対象としたメンタルヘルスの専門医に
インタビューをした際に、印象的なやりとりがありました。

インタビューに付随した質問で、
「採用面接の際に、メンタルヘルスに問題を抱えている人材を
見抜くことは、医師であればできるでしょうか?
その場合のポイントはどのようなところでしょうか?」
とうかがいました。

私としては、医師であれば精神的な不調者を察知することができ、
その場合の注意点を体系化できれば、大きな価値があると考えていたのです。

しかし、答えは「精神科専門の医師であっても難しい」ということでした。

精神的に不調のある方であっても、
面接という場になると、
意思の力で短期間だけはカバーすることができるため難しい
ということでした。

新しい方の面接と、既存の社員の方のテレワークでは、
状況は異なりますが、短時間に
相手の方の精神的不調を察知するのが難しいという点では、
共通する部分があると思います。

メンタルヘルス不調の問題が企業のおよぼす影響

社員のメンタルヘルス不調については
2015年のデータとなりますが、
「メンタルヘルス不調の社員がいる」と回答された企業は
69パーセントにものぼり、
多くの企業で問題になっていることが分かります。

2015年12月から従業員のストレスチェック義務化法案も施行されていますが、
ストレスチェックがなされても、
メンタルヘルス不調の社員を減少させるところまではなかなか
つなげることができず、企業側も苦慮しているのが実態だと考えます。

今回、テレワークの普及により、
ストレスが低減される方がいる、一方で、
人間にとって、環境の変化は大きなストレスとなるため、
潜在的な精神的な不調の方が出てくることも考えれます。

これまで慣れていた場所での働き方が
変わることは(たとえ自宅といった慣れ親しんだ場所だとしても)
ストレスになる方にとっては、ストレスとなるわけです。

社員のメンタルヘルス不調が、企業に与える実際的な影響として、
生産性の低下や重大ミスとなる危険性に加えて、
対応を誤ると、訴訟につながるといったリスクもあります。

いずれにしても対応をせずに放っておくのは、
危険だと言えます。

従業員の睡眠の質からの察知する

ではどうすればよいかについてですが、
会社の方針と乖離がなく、
社員の方々が同意すればという条件はつきますが、
睡眠の質から、社員の健康を推し量る技術があり、
これを活用することによって、メンタル不調を
察知することはできると考えています。

精神的不調に陥ると、
食欲減退と睡眠の質低下が顕著に現れます。
それにより、社員の状況を推測するということになります。

たとえば、「O:Sleep」という企業では、
スマホの加速度センサーを活用して、睡眠の質を計測する
サービスを提供しています。

また、スマートウオッチなどでも
こうした対応が可能であると考えています。

企業として一定の基準を設けて、
ある数字が顕著に現れた社員の方に対しては、
個別の面談の機会を設けるなどの対応をすることで
一定の効果につなげることができると考えています。

ただ、社員の方のプライバシーの保護の観点から、
プライバシー保護の規定が十分な企業でなければ、
導入は難しいとも感じています。

まとめ

企業におけるテレワークの活用が広がるなかで、
これまで考えたことになかったような
課題がでてきつつあるという印象です。

メンタルヘルス不調の問題は、
まだ潜在的なものと考えていますが、
今後顕在化するのと捉えています。

過渡期だからこその問題とも考えられますが、
新しい技術などを活用しながら、
対応していくことが必要になると感じています。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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