しばらくぶりの更新となります。
最後の記事を投稿したのは、2024年3月。
それから世界は、予想以上のスピードで激変しました。
あまりの情報洪水と現実の動きの速さに、考察と筆が追いつかない日々でした。
そして今、当時の予測と、いまの「現実」を改めて照らし合わせてみてみました。今回の記事では、「もしトランプ氏が再び大統領になったらどうなるか?」という2024年初頭の予測をもとに、今の世界情勢を検証していきます。
ユーラシア・グループの2024年予測とは?
当時紹介したのは、国際的な政治リスク分析で知られる【ユーラシア・グループ】の見解でした。
彼らは、トランプ氏が大統領に返り咲いた場合に、以下のような世界の変化を予測していました。
◆ 主な予測内容(2024年3月時点)
・米国の国際的地位が低下する
・行政権力が強化され、チェック&バランスが崩れる
・法の支配が弱まり、民主主義が揺らぐ
・財政赤字が拡大し、国家の余力が縮小する
・各州で急進的な政策対立が激化し、国内の分断が進行
・世界で一律10%の輸入関税が課される
・対中貿易で「最恵国待遇」の剥奪を含む保護主義的な対応が進む
そして2025年現在——予測はどこまで当たったのか?
結果から言えば、予測の方向性は的中していたと言えるでしょう。
ただし、実際に起きている事象は「予測以上に厳しい現実」となっている印象があります。
■想定を超えた関税措置
たとえば、輸入関税。
ユーラシア・グループは「10%の一律関税」を予想していましたが、現在の報道では、日本製品には最大24%の関税が課される見通しです。
他国との関税対立も激化しており、予測よりも攻撃的な保護主義政策が現実化しています。
■米国の国際的影響力は低下の一途
ロシア・ウクライナ情勢は依然として収束せず、米国の外交的影響力が後退している兆しが見えます。
また、中東でのイスラエル・イラン間の衝突でも、米国の仲裁は一時的な効果しか発揮していない可能性があります。今後、再び衝突が激化するリスクは高く、ユーラシア・グループの懸念通り、国際秩序は不安定化の傾向を強めているように思えます。
今後の見通し:予測より「深刻な未来」へ
今回の検証で見えてきたのは、「トランプ再登場」がもたらすインパクトが、予測された以上に広く、そして深く世界を揺るがしているという現実です。
引き続き、変化する世界情勢を共に見つめていきましょう。