現在、アマゾンなどで「置き配」を頼むと
配達員の方が玄関先に荷物を置いてくれます。
置いていくならば、たとえばドローンでも
できるのではないか? と考えたことはありませんか。
企業においても、ドローン配達を実現するために、
実証実験が進められているようです。
住宅地でドローン宅配 楽天やANA、無人飛行解禁で
(記事転載)
2021年8月26日 「日経新聞」より
全国の住宅地上空でドローン(小型無人機)の
無人飛行が2022年中にも解禁されるのを前に、
ドローンを使ったサービスなどの開発が進み始めた。
楽天グループやANAホールディングス(HD)は
本格的な宅配事業の参入準備を進め、
KDDIは今秋、複数台の飛行を一括管理する実証を行う。
規制緩和を機にドローン活用の舞台が大きく広がりそうだ。
注目した点
アメリカではアマゾンが2013年から
ドローンによる宅配の実験を行っています。
ただ、実際の運用については
3つの課題が上記の記事でも触れられています。
まとめますと下記となります。
1)政府が規制を定めなければならないこと。
2)企業がビジネスモデルを探さなくてはならないこと。
3)そもそもドローンでブリトーを配達してもらいたい人が
いるのか誰も知らないこと。
一方で、
「ドローン配送スタートアップのZiplineも、
3年にわたって輸血用の血液や血しょう、
医療サンプルをルワンダやタンザニアで配送しており」
とあり、こちらのルワンダ、タンザニアの例は
「リープフロッグ型発展」としてよく取り上げらています。
よく考えるとZiplineでは
1)→新興国なので規制が比較的ゆるやか
2)→悪路の環境でも、時間がかからず医薬品を運べる
3)→日用品ではなく、医療品という緊急性の高いものに特化している
となりうまくクリアしているように思います。
最初の日本の記事にもどりますと、
「ドローン活躍の舞台は~」と希望的な観測の記事と
なっていますが、
社会実装を進めている企業が楽天とANAということで、
アマゾンの業態と近いことから、
アマゾンが海外においての運用に苦労している状況と
同じことが起こり、
恐らく、社会実装はまだ先のこととなることが予想されます。
街中で自宅の窓すれすれに、
ドローンが来て、隣の家にピザを届けていたら
音もするでしょうし、「迷惑だ」と思う方も多いかも知れません。
しかし、人命に関わるなどであれば、我慢することもあるでしょう。
配達しているものが何であるかにもよって、
社会に受けいられるか否かが決まってくるかも知れません。
ドローンによる宅配は、
人手不足の物流業界の救世主となる可能性がありますが、
これはまだ少し未来の話になりそうです。